北朝鮮、「秘密地下通路」の謎

デイリーNKジャパン

北朝鮮、「秘密地下通路」の謎

「東京の地下鉄には秘密の線路がある」というのは、使い古された都市伝説だが、北朝鮮にも似たような噂があると咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えてきた。

情報筋は「有事の際に金正恩第一書記が中国に逃げるための秘密の地下通路がある」と語る。

保安が徹底されていることから、地下通路の正確な場所は不明だが、秘密の地下通路があるのは、中朝国境付近の慈江道(チャガンド)の山中。金正恩氏の特閣(別荘)や重要施設の地下数百メートルのところに、中朝国境付近に繋がる地下通路がある。また、有事の際に脱出するため、平壌国際空港や南浦港などにも、平壌の指揮所から通じる「地下通路」があると言われている。

「地下通路の建設に当たったのは、特殊建設を専門に行なっている朝鮮人民軍工兵局1旅団だ。金正恩氏が『親衛旅団』と呼ぶほど信頼が厚く、最高の待遇を受けていると言われている」(咸鏡北道の情報筋)

しかし、金正恩氏本人と護衛総局の要員を除けば、正確な場所は誰も知らない。建設の際には周りを塀で囲み、建設労働者が外と行き来する際にはアイマスクを付けさせるほど、徹底的に場所を隠した。

これらの地下通路を利用できるのは、金正恩氏やその家族、側近中の側近だけが使えるものだ。朝鮮戦争の時に、中朝国境付近まで追いやられたことがあるので、同様の事態に備えて掘られたものだ。

情報筋は「戦争に備えるためと言っているが、どうせ自分(金正恩氏)の命が惜しいからだろう」と、金正恩氏を批判した。

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