探査機「あかつき」、金星周回軌道へ (1/2ページ)

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12月9日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、金星探査機「あかつき」(PLANET-C)の金星周回軌道への投入成功を発表した。

ご存知のように、金星は地球のすぐ隣にある兄弟惑星。地球よりも内側の軌道を回っているため、地球から観測できる時間帯は明け方や夕方に限られ、太陽や月に次いで明るく輝く姿から「明けの明星」「宵の明星」の名前でも知られる。

しかし、「地球型の惑星で、大きさもほぼ等しく、大気もある」といっても、その環境は地球とは大きく違う。濃密な大気の成分は、ほとんどが二酸化炭素。分厚い硫酸の雲で覆われており、地表面の温度は400℃以上、気圧は約90気圧にも達する。美の女神「ヴィーナス」の名で呼ばれながら、その実は、とんでもなく高温で高圧の過酷な世界なのだ。

しかもこの大気は、上空60kmで時速400kmにも達する猛スピードで、常に自転と同じ方向に(そして自転よりはるかに速く)吹き荒れている。この金星全体をめぐる突風を「スーパーローテーション」(ヘビーローテーションではない)と呼ぶ。その不思議な現象がなぜ起きるのか。そして硫酸の雲はどう出来上がるのか。さらには、その雲の中や雲の下で、どんな気象現象が起きているのか。それらを解き明かそうというのが、「あかつき」のミッションだ。

これまでも地球以外の惑星の周回軌道に入る、つまり「他惑星の人工衛星」になる探査機はいくつかあったが、こうした気象探査に特化したものは初めて。「世界初の惑星気象衛星」とも呼ばれるゆえんだ。

もっともこの「あかつき」、実は2010年5月に打ち上げられ、予定では、その約半月後、2010年12月7日には金星の周回軌道に入る予定だった。しかし同日、金星周回軌道投入マヌーバが開始されたものの、主エンジンのトラブルにより失敗。「あかつき」は金星周回軌道でなく、金星軌道のやや内側で、大きく太陽を回る軌道に乗ってしまったのだった。

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