【衝撃】馬1頭は実は「3馬力」……ってどういうこと!? わかりづらい単位「馬力」の真実 (2/2ページ)
ところが、イギリスはヤード・ポンド法なので都合が良いでしょうが、日本のようにメートル法が使われている国では換算しなくてはなりません。そこでフランスは、
・75kgの荷物を
・1秒間に
・1m移動させる
と決めたため、フランスの1馬力はイギリスの0.986馬力と小さくなってしまったのです。そのため厳密には英馬力/仏馬力と表記しますが、知らないひとにとっては「ナンで減る? 」と疑わしさ満点の単位ですね。
■1馬力の人間、3馬力の馬
1馬力は、どれくらいの力なのでしょうか? 名前から「馬が走っているとき」をイメージするひとが多いでしょう。ところが1馬力は意外と小さく、馬なら楽勝、瞬間的なら人間でも出せるほどの力しかないのです。
日常生活で見かけるおよその力を、1馬力=735.5Wで換算すると、
・6畳用のエアコン(冷房) … 3馬力
・10畳用のエアコン(冷房) … 4馬力
・短距離走の人間 … 1馬力
・全力疾走する競走馬 … 3馬力
と、瞬間的なら人間でも出せる力で、サラブレッドはその3倍もの「馬力」を持っているのです。
日本の「馬力」は750Wと定められていたので、秋葉原の隣の博士が作った10万馬力の国民的ロボットは75,000kW扱い、1時間稼働させると電気代およそ225万円に匹敵しますので、緊急時以外は呼ばないほうが良さそうです。
■まとめ
・「馬力」という単位を作ったのは、蒸気機関の生みの親であるジェームズ・ワット
・イギリスの1馬力はポンド/フィートをもとに定義された
・フランスではkgとメートルで計算されるため、イギリス馬力の0.98倍ほどになる
・日本でも独自の「馬力」があり、ややこしすぎ
・全力疾走の人間は1馬力程度、サラブレッドなら3馬力も出せる
(関口 寿/ガリレオワークス)