外国人が多摩川を不法占拠?無法地帯と化す“闇畑”に潜入してみた (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

 あまりに不気味で、思わず背中に汗が流れた。近づくと、「ネコ大人」とプレートが貼ってあった。犬用のリードや、エサのプレートも大量に保管してある。オリの中には確かに、犬、猫がいた。敷地の奥には、広場があり、レンガが点在している。……なんだろうと思って、見てみると、名前が書いてある。枯れた花や、色あせた写真もある。

「……うわ、犬猫のお墓だ」

 と気づいて、胃の奥がきゅっと痛くなった。そこには誰もいなかったので、近くに住むホームレスに話を聞くと、

「ああ、このあたりのホームレスボスがペットを買うためにたてたオリだよ。ボスはホームレスじゃないよ。金融屋の社長で、ビルを何軒も持っているって噂だよ。その社長に頼まれて、俺ら(ホームレスたち)でオリを建てたんだ。犬猫が逃げた時、ホームレスみんなで捕まえるんだぜ」

 と話していた。あまりに変な話なので、絶句してしまった。オリを見ていなかったら、ホームレスのホラ話かと思ってしまったかもしれない。

 後ほど追加取材した時、このオリは半分潰されていた。どうしてそうなったのかは分からないが、ここにいた猫は近所のホームレスが受け取ったと聞いた。

 ほのぼのとした風景の多摩川河川敷。葦の向こう側には、不法占拠、不法工作、不法滞在、……と様々な問題が渦巻いているのだ。行政は今後どう対応していくのか。注視していきたい。

村田らむ(むらたらむ)
ライター・イラストレーター・漫画家。ホームレス、新興宗教、犯罪などをテーマにした体験、潜入取材を得意とする。近著に『禁断の現場に行ってきた!!』(鹿砦社)
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