欧米じゃないの!? 「いちごのショートケーキ」は日本発だってほんと?

クリスマスや誕生日など、パーティに欠かせない「ショートケーキ」。洋菓子の代名詞といえる存在なのに、外国人もあこがれる「日本限定」商品なのはご存じでしょうか?
ショートケーキの「ショート」は「サクサク」「かりっと」を意味する単語で、海外ではビスケット+クリームのようなケーキが当たり前、ふわふわしっとりのケーキが食べたければ「レイヤーケーキ」と伝えるのが正解です。誰もが知っているショートケーキが誕生したのは大正11年のことで、日本人の味覚に合わせて柔らかいスポンジケーキを使ったところ大ヒット、ショートじゃない「いちごのショートケーキ」が現代も続いているのです。
■ショートケーキは「カリカリ」が正解
ショートケーキの「ショート」は、何の意味かご存じでしょうか? 言葉の響きからshortを連想し、短い? どこが? とフシギに思うひとも少なくないでしょう。これは半分正解で、スペルは「短い」と同じshortですが、口当たりを軽くする「shorten」が語源のひとつといわれています。これは「カリカリ」「サクサク」と訳すべき単語なので、本来はビスケットのような生地が使われているケーキを指します。海外旅行中に「ショートケーキ」を注文しても、見慣れたケーキは提供されませんので、違うものが出された! なんてクレームはナシで願います。
日本でおなじみのショートケーキが食べたかったら、どう伝えればよいのでしょうか? スポンジとクリームで「ふわふわ」に仕上げられたケーキは「層」をなしていることからレイヤーケーキ、またはレイヤードケーキと呼ばれるのが一般的です。同名の海外映画ではマフィアが登場するなどわりとハードな内容で、
・ショート … 本当は固い生地を使う
・レイヤー … 柔らかい生地なのにハードなイメージ
とフクザツですね。海外でうまく伝わらなかったらメニューか実物を指さして注文するのが無難かもしれません。
■海外では「逆輸入版」が人気
結婚式やパーティで見かけるふわふわのショートケーキは、いったいナニモノなのでしょうか? これは日本人の嗜好(しこう)に合わせて生地を変更した「日本オリジナル版」で、ネーミングはいわゆる「和製英語」。大ヒット商品となったため、ショートケーキ=ふわふわのイメージが根付いてしまったのです。
スポンジを生地にしたショートケーキが誕生したのは大正11年、1922年とされています。作ったのは、ベロを出した女の子がトレードマークの洋菓子屋さんで、当時の価格は8銭(せん)との記録があります。これをお米の価格を用いて比較すると、
・大正時代の米60kg = 1円20銭
・平成26年の米60kg(相対取引価格の平均) = 12,000円
から、1銭=100円相当、つまり8銭のケーキは800円ぐらい、お米4kg分ですから決して安いとはいえません。ところがこれが大人気を博し、やがては誕生日やクリスマスの定番となり、レイヤーケーキ改・「ショートケーキ」の名が定着したのです。
現在、日本のショートケーキは海外でも販売されるようになり、和風スイーツとして確固たる地位を築いています。厳密には、輸出ではなく逆輸入、ショートでもないレイヤーケーキですが、おいしいのでよしとしましょう。
■まとめ
・ショートケーキの「ショート」は「カリカリ」「サクサク」の意味
・スポンジ生地のショートケーキは、日本オリジナル
・大正11年に日本の洋菓子店が販売、ショートの名が定着した
(関口 寿/ガリレオワークス)