銃大国アメリカの鍵を握る企業「スミス・アンド・ウェッソン」とは? (1/3ページ)
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2015年1月5日。この日はアメリカ史年表に永遠に記録されることになるだろう。
バラク・オバマ大統領が単独権限を行使し、銃規制を厳格化させると発表したのだ。
ところが、この発表により巨額の利益を得た企業が存在する。
銃器販売大手スミス・アンド・ウェッソン・ホールディングス(以下S&W)だ。5日の終値は、何と前日比11パーセント高という数字に終わった。
これは銃規制を警戒した市民による駆け込み需要がもたらしたものだが、同時にS&Wという企業の存在感を改めて世界に知らしめた。ここで我々は、考えなければならない。
S&Wとは、一体何なのだろうか?
■ コルトに対抗した会社
1836年、発明家のサミュエル・コルトが、新型のリボルバー銃に関する特許を取得した。
これは、銃の撃鉄とシリンダーが連動する機構についてのものだが、実はコルトの発明はその部分のみである。レンコンのような形のシリンダーに弾丸を込め、連続して撃つというリボルバー式拳銃そのものは以前から存在した。
コルトのやったことは、“新開発”というよりも“改良”だ。そして、その機構に目をつけていたガンスミス(銃整備士)はコルトだけではなかった。
一つの発明を巡って特許争いが泥沼化するということは、アメリカではよくある。だがコルトはその泥沼で勝ち抜いた。彼の発明は丸々20年間、独占が保証されることになる。
S&Wは、1856年にホーレス・スミスとダニエル・ウェッソンが共同で始めた企業である。平たく言えば、コルトとの特許争いに負けたガンスミスたちが作った会社なのだ。
だからこそ、S&Wは創業当初から、他人の特許を買収することを前提にしている。リムファイア式金属薬莢や貫通式シリンダーなど、「斬新だが誰も見向きしなかった特許」に対して札束を積んだ。
それぞれつながりのなかった、複数の特許技術を結合させて一つの製品を作る、というのは今では当たり前の企業戦略である。だがこれは19世紀中葉の話だ。当時としては斬新な手法だったことは言うまでもない。