2016年“第3次世界大戦”は始まっていた(2)「平和主義者が戦争を起こす」 (2/2ページ)
ベトナムに対しても日本がすでに船舶支援を行うなどの約束を発表。
しかし、日本がこうした支援を実行するためには、法的な裏付けが必要だった。軍事的支援は100%違法とは言えないが、これを法律的に是認する必要があった。これが、ある意味集団的自衛権の本質である。逆に言えば、集団的自衛権成立が遅れたことで、中国とASEANばかりか、日中、中米との関係が、にっちもさっちもいかなくなってしまったというのが実態だ。
中国の人工島完成前に、強い抑止力によって中止させることができていれば、今日のような軍事的緊張関係は、これほど高まらなかったのではないだろうか。そう考えさせられる事態が「航行の自由作戦」後、起こった。中国が人民解放軍を、これまでの7軍区から4選区に再編したのだ。それ以前の人民解放軍は政府軍ではなく共産党の支部という立場で、アメリカの州軍のような体制だった。再編によって、中央政府による一括した指揮命令系統ができあがった。つまり即時戦闘態勢となったのである。
まさに、イギリスの首相だったチャーチルが、著書「第二次世界大戦回顧録」の中で書いた、「平和主義者が戦争を起こす」ということが、「平和主義者」がメディアを支配する、日本周辺で起こっている。日本はその当事者であることを、忘れてはいけない。
(経済評論家:渡邉哲也)