祇園精舎の鐘の声……なんてほんとは聞こえない!? 祇園精舎ってインドだってほんと? (1/2ページ)

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古典の教科書でも定番の「平家物語」。冒頭の「祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声」はあまりにも有名ですが、本当に聞こえるかギモンな「鐘」なのはご存じでしょうか? 「祇園」から京都の繁華街を連想するかも知れませんが、祇園「精舎」はインドにある寺院、しかも江戸時代までどこかはっきりせず、

勘違いして「アンコール・ワット」に参詣していたほど不明な場所でした。本当の祇園精舎に「鐘」が登場したのは2004年になってから……平家物語の「鐘の声」は、いったいどこの鐘? なのです。

■アンコール・ワットは「祇園精舎」だった?

鎌倉時代に書かれたとされる平家物語は、教科書や問題集で一度は目にしたことがあるでしょう。その名の通り「平家」の栄枯盛衰(えいこせいすい)を記したもので、書き出しの部分はあまりにも有名。

 ・祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声

 ・諸行無常(しょぎょうむじょう)の響きあり

今風に訳すと、諸行無常は「世の中はすべて変化する」といった意味で、平氏がどんなに栄えても、衰えてしまったのは防ぎようのないこと、祇園精舎の鐘にはそんな響きが感じられる、といったところでしょう。この切なくも詩的な表現は多くのひとがご存じでしょうが、じつはかなり??? な話、祇園精舎の場所すら正確に把握していなかったからです。

「祇園」は舞妓さんで有名な繁華街なのに対し、祇園「精舎」はインドの寺院が定説……日本に鐘の音が届く可能性は限りなくゼロですね。また、長いあいだ「アンコール・ワット」が祇園精舎と信じられ、そうとは知らず大勢が参詣… まったく違う場所に訪れて「ありがたや」と手を合わせていたのです。

なかには手本にならない例もあり、アンコール・ワットに「落書き」をしたひともいます。江戸時代の武士・森本右近太夫は、遺跡にわざわざ自分の名を書き記していったのです。

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