秋津壽男“どっち?”の健康学「インフルエンザの拡大を防ぐ加湿器の威力 湿度60%以上になるとウイルスが死滅する」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「インフルエンザの拡大を防ぐ加湿器の威力 湿度60%以上になるとウイルスが死滅する」

 前回は風邪に関するお話をしましたが、今回は全国的に流行しているインフルエンザについてお話をします。

 よくインフルエンザと風邪を混同する人が多いですが、初期の症状に大きな違いがあるのをご存じでしょうか?

 一般的に、風邪の場合は「咳が出る」「喉がムズムズする」「だるい」などの自覚症状が出るのが特徴で、体温も徐々に上がります。

 しかし、インフルエンザは多くの場合、突然の高熱から始まり一気に症状が悪化します。通常、毎年11月頃に始まり冬休みで小康状態となり、1月から3月にかけて流行のピークを迎え、春になると沈静化します。

 治療薬としては近年、タミフルが注目されていますが、他にもミレンザやイナビルなども有効な治療薬とされています。一部報道では、副作用について懸念されていますが、経験上、成人の場合には特に問題があるとは思えません。むしろ発症から48時間以内に服用すれば、かなりの効果が期待でき、放っておけば回復するまで4~5日かかる症状が、1日半ほどで改善します。また予防策として、毎年ワクチン接種をしている方も多いでしょう。希望者の人と話していますと、ワクチンの効き目が1年間と勘違いする人が見受けられますが、実際には毎年流行するウイルスが変わるために、それに合わせたワクチンを接種しているにすぎません。一度接種したワクチンの効用は長期間に及ぶので、継続的に毎年ワクチンを接種していると、種類の違う旧来型のウイルスが流行した場合、類似したウイルスのワクチンを以前に接種していれば、インフルエンザにならない可能性が高くなります。当然、新型インフルエンザの場合は、こうしたケースが当てはまりません。

 かつて第一次世界大戦時には、スペイン風邪がはやり多くの命が犠牲となりましたが、その後、第二次世界大戦以降は香港風邪が主流となりました。近年でもA型ウイルスやB型ウイルスなどに加え、鶏インフルエンザや豚インフルエンザが流行したのも記憶に新しいでしょう。このように、流行するウイルスによってワクチンも変わってきます。継続的なワクチンの接種が予防策として、いちばん有効なのは言うまでもありません。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「インフルエンザの拡大を防ぐ加湿器の威力 湿度60%以上になるとウイルスが死滅する」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 2/18号“どっち?”の健康学加湿器秋津壽男インフルエンザ社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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