【プロ野球】王貞治の本塁打や金田正一の400勝を凌駕する”偉大な記録”とは (2/2ページ)
■本塁打世界記録より突出している記録の数々
次に打者の記録にいきたい。はじめに王貞治の本塁打世界記録868本をみてみよう。
1位 王 貞治 868本
2位 野村克也 657本
3位 門田博光 567本
4位 山本浩二 536本
5位 清原和博 525本
5位までの合計は3153本で、王貞治の868本は27.52%を占めていた。さすがは“世界の王”だ。
本塁打以外にも、王貞治はいくつかの記録保持者だが、特にすごいのが四球数だ。
1位 王 貞治 2390四球
2位 落合博満 1475四球
3位 松井秀喜 1391四球
4位 金本知憲 1368四球
5位 清原和博 1346四球
5位までの合計7970四球に占める割合は29.98%。ちなみに敬遠四球は427個あり、その突出度は34.68%。どれだけ相手投手に恐れられたかがわかる突出度である。
では、記憶に新しいバレンティンのシーズン60本塁打はどうだろうか。
1位 バレンティン 60本
2位 王 貞治 55本
2位 ローズ 55本
2位 カブレラ 55本
5位 バース 54本
合計279本に占める割合は21.50%。同じシーズン記録の突出度では江夏豊のほうが上だったが、打撃技術が向上する一方であることを考えると、抜かれる可能性のある記録かもしれない。
福本豊の1065盗塁も、多分に突出率が高いはずだ。
1位 福本 豊 1065盗塁
2位 イチロー 697盗塁(15年現在)
3位 広瀬叔功 596盗塁
4位 柴田 勲 579盗塁
5位 木塚忠助 479盗塁
トップ5の合計は3416盗塁であり、1065盗塁の福本は31.17%。王貞治のホームランより3%以上突出しており、「ものすごく価値のある記録」といえよう。ただし、イチローが現役であることを考えると、この突出度は少しだけ小さくなる可能性がある。
あと44安打でピート・ローズを超えて世界記録となるイチローの通算安打数もみてみたい。
1位 イチロー 4213安打(15年現在)
2位 張本 勲 3085安打
3位 野村克也 2901安打
4位 王 貞治 2786安打
5位 門田博光 2566安打
同じく合計は15551安打で、イチローの占有率は27.09%。王貞治のホームランに肉迫する突出度だ。ちなみに95本打てば占有率で上回るが、昨年の安打数は91本だった。
あまり注目されない記録だが、世界記録である川相昌弘の通算犠打も占有率は高そうだ。
1位 川相昌弘 533犠打
2位 平野 謙 451犠打
3位 宮本慎也 408犠打
4位 伊東 勤 305犠打
5位 新井宏昌 300犠打
合計1997犠打に占める割合は26.69%。突出度では王貞治に肉迫している。
さて、ここまで様々な記録をみてきたが、突出度では「これ以上ない」と思われるのが、1つだけある。
金本知憲の「連続フルイニング出場」記録だ。
1位 金本知憲 1492試合
2位 三宅秀史 700試合
3位 衣笠祥雄 678試合
4位 松井秀喜 574試合
5位 愛甲 猛 535試合
合計3979試合のうち、金本の占有率は実に37.49%。2位にダブルスコアをつけたのは、この記録だけ。
「継続は力なり」を証明する偉大な世界記録である。
(文/小川隆行)
- 小川隆行(おがわたかゆき)
- 編集者&ライター。『プロ野球 タブーの真相』(宝島社刊)シリーズなど、これまでプロ野球関連のムックを50冊以上手がけている。数多くのプロ野球選手、元選手と交流がある