秋津壽男“どっち?”の健康学「味の好みでわかる生活習慣病の傾向と対策 血管系の疾患に繋がる塩辛さが寿命を左右」 (1/2ページ)

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秋津壽男“どっち?”の健康学「味の好みでわかる生活習慣病の傾向と対策 血管系の疾患に繋がる塩辛さが寿命を左右」

 読者の中には仕事を終わると気の置けない友人と酒を酌み交わすのが楽しみという人も少なくないでしょう? 一方で、3時のおやつや食後のデザートが何よりの楽しみという方もいます。

 食事のとり方は寿命を左右する大きな要因の一つです。何を選んでどのぐらいの量食べるかで、人によって長い目で見れば大きな違いが出るだけに、ある程度の年齢を重ねたら、ぜひとも自分の食事の傾向をチェックしてみてください。

 では、ここで質問です。甘党と辛党、どちらが長生きできるでしょう?

 まず大前提として糖分も塩分もとりすぎは健康を害します。塩辛いものが好きな人がなりやすいものとしてあげられるのが高血圧です。高血圧は血管の病気で脳梗塞や脳出血、心筋梗塞、大動脈瘤解離のリスクを抱えます。

 逆に甘いものが好きな場合には、肥満や糖尿病といった生活習慣病になるリスクが上がります。ただ両者を比べた場合、どちらがポックリ逝ってしまうかと考えると血管系の疾患に軍配が上がります。糖尿病も長い目で見ると命に関わりますが、ガンと同じで突然死には至りません。

 血管が引き金となる病気は突然死につながるケースも少なくありません。そう考えると、辛党のほうがハイリスクだと言えるでしょう。

 高血圧が寿命を左右するというデータもあります。厚生労働省の発表によれば、日本人の平均寿命(男性、平成22年)は79.5歳で、都道府県別に見ると、ワーストは青森県(77.2歳)で、秋田県と山形県がそれに続いています。その要因として、冬場に雪で野菜が取れないため塩辛く漬けた漬物を好む、日本海が時化て魚が獲れない、寒さをしのぐため酒を飲む割合が高い、などの生活習慣が問題視されています。

 同じ東北でも岩手県など三陸側は冬場でも生の刺身が食べられますが、日本海側は、たびたび時化るため刺身も手に入りにくくなります。日本海側に位置する秋田県は県魚であるハタハタを冬の初めに獲って塩漬けや味噌漬けにし、冬の間の貴重なタンパク源としてきました。このように平均寿命の長短は塩分の摂取量と無関係ではありません。

「秋津壽男“どっち?”の健康学「味の好みでわかる生活習慣病の傾向と対策 血管系の疾患に繋がる塩辛さが寿命を左右」」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 3/10号“どっち?”の健康学高血圧秋津壽男カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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