【中野劇団員殺害】冤罪寸前だった?付近住民が疑われた舞台裏 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 事情を知る報道関係者は、「実は事件を取材したマスコミの中で、逮捕された戸倉容疑者とはまったく別の人物を犯人視する動きがあったのです」と明かす。疑われたのは、加賀谷さんの交際相手の男性と加賀谷さんの自宅近くに住む別の住人だったという。

「加賀谷さんの自宅近辺では、加賀谷さんと交際相手とみられる男性が衝突する場面が度々目撃されており、事件前にはケンカ沙汰で警察が出動する事態にもなっていました。さらに、事件直後にマスコミの取材に応じた近隣住民にも疑いの目が向けられた。この男性は事件後、インタビュー取材を受けていたのですが、マイクを向けながら彼を疑っていた連中はいたようです。逮捕後のことを想定して、彼らの映像素材を集めていた社もあったという話です。一歩間違えれば冤罪被害者が生まれかねない状況だったというわけです」(先の報道関係者)

 実際、報道のミスリードによって犯人扱いされた被害者は過去に何人も出ている。

 1994年6月の松本サリン事件では第一発見者の会社員が冤罪報道の被害に遭い、メディアスクラムが社会問題となった。2007年11月には香川県坂出市で女性ら3人が死亡した事件で、事件とは無関係の親族男性を犯人視するような報道が問題視されている。

 悲劇が繰り返されなかったことは「不幸中の幸い」だったというべきか…。被害者の無念を晴らすためにも一刻も早い事件の全容解明がまたれる。

浅間三蔵
1978年、神奈川県生まれ。大学卒業後、大手新聞社に入社。社会部記者として警視庁や司法関連を担当する。震災を契機に独立し、現在はフリージャーナリストとして週刊誌などで活躍中
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