埼玉・小川町「認知症妻殺害事件」容疑者が「15日間食事拒否」で死亡にいたった謎 (2/2ページ)
ただ、その間も一貫して食事は口にしなかったといいます」
83歳という高齢だけに、当然ながら、何も食べなければ体は弱っていく。
「その後、衰弱がひどくなったため、14日と16日に病院で診察を受け、17日に入院することになりました。しかし、この時点ですでに話ができるような状態ではありませんでした。かなり危ないというか‥‥それでもなお、食事は拒み続けました」
そして2月23日午前、死亡が確認された。
「15日間にもわたって食事を拒否した理由は、ついに語られませんでした」(前出・県警担当記者)
殺人を犯した罪は重いとはいえ、何とも言いようのない悲哀を内包する事件なのである。
厚生労働省の調査によると、介護が必要な65歳以上の高齢者がいる世帯のうち、介護する人も65歳以上という「老老介護」世帯の割合は、13年に初めて5割を超えた。
「介護が必要になった原因のトップは脳卒中ですが、2位が認知症。団塊世代の約半数が65歳以上になっていることから、老老介護の世帯は今後も増加が見込まれます」(医療関係者)
老老介護疲れによる絶望が原因とされる殺人事件も増加。警察庁の統計によると、07年以降は、年平均46件。昨年も2月に北海道と滋賀県、7月に神奈川県で起きた事件が大きく報道されている。
食事拒否による餓死の道をみずから選んだのは、絶望感から殺してしまった妻に対する、せめてもの贖罪だったのかもしれない。