栄光の巨人軍、騒動&スキャンダルに見る”V逸の歴史” (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■近年の「黄金期」に勃発した2つの事件

 次は「原辰徳監督1億円騒動」が起きた2006年だ。

 1988年、現役時代の原は20代の女性と不倫をした。その当時、女性が記していた日記を入手した自称・球界関係者から、原監督が「日記を買い取って欲しい」と脅され、1億円を支払ったとされるのが2006年のことだった。

 この年、巨人は65勝79敗と5割を切り4位に低迷。原監督の12年間で唯一のBクラスに甘んじている。

 ちなみに、この問題が表面化したのは2012年。後述の清武問題を受けて「ナベツネvs.清武」のバトルが起こっている。

 最後は、東日本大震災が起こった2011年の開幕騒動だ。

 3月11日に起こった震災の1週間後、パ・リーグは3月25日に予定されていた開幕を4月12日に延期したが、セ・リーグは球界のドン・渡邊恒雄・巨人軍会長(当時)が「被災者に夢を与えるのも我々の役目」と予定通りの開幕を主張、予定通りの開幕を発表した。放射能問題や電力、ガソリン、生活物質などが不足する中、被害の少ない東京からの物言いに世間は反発。被災地仙台に本拠地を置く楽天の星野仙一監督(当時)が開幕延期を訴え、選手会会長の新井貴浩も「ダブルヘッダーも覚悟の上を」とストライキも辞さない覚悟で訴えた。

 球界内部からも「巨人の思い上がり」との声が飛んだ結果、蓮舫・節電啓発担当大臣による開幕延期の要望に折れ、パと同時開幕(4月12日)が決定。

「空気を読めない」結果となったが、この年、巨人はまたも優勝を逃し3位で閉幕。日本シリーズ開幕の前日に「清武の乱」が勃発、渡邊恒雄会長が告発されるというおまけまでついた。

 以上、近年の4騒動を振り返ったが、今回もこれらに匹敵するインパクトがある。歴史は繰り返す。今年も優勝は難しいと予想されるが、いかがだろうか。

文・小川隆行(おがわたかゆき)
※編集者&ライター。『プロ野球 タブーの真相』(宝島社刊)シリーズなど、これまでプロ野球関連のムックを50冊以上手がけている。数多くのプロ野球選手、元選手と交流がある
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