人権団体の「AV女優強制出演」報告書が各方面から非難される理由【3】 (2/3ページ)
■裸商売のリスクに対する認識の甘さ
これまでの記事では、HRNの主張が業界の実情をまったく知らないのではと思わせる穴だらけの内容だったため、何より優先してそれに対する批判を行わせていただいた。だが、そもそも論としてAVやその他の裸商売が "真っ当" な訳がないだろう。セックスを売り物にしている時点で、いくら業界内部の人間が「我々はクリーンでございます」と言ったところで、世間の大多数は納得してくれまい。業界人がどう思うか、どう信じているかは無関係で、この場合は「世間の大多数がどう思うか」こそが絶対の価値観とされてしまう。
そういう商売だからこそセックスワークは一般の職業よりも金にしやすいのであり、それはリスクの大きさと引き換えなのだ。
繰り返すようだが、裸商売は様々な法律で雁字搦めにされており、それでも100%安全という保証はなく、結局は警察の都合次第にされてしまう。干渉し合う複数の法律の解釈次第では、現時点でAV撮影や所属タレントをAVに出演させること自体が違法とされて不思議ではない。むしろ法律を額面通りに解釈すれば、違法とされない方がおかしいとすら言えてしまう。
だが、今のところAVは何故か合法という扱いを受けており、AV女優らは堂々と地上波のTV番組にも出られている。そして数多くの業界人が生活の糧を得る場としている。こんなあやふやな土台の上に、何千人もの人間が(危機意識を持つことなく)乗っかってしまっているのだ。しかし、何かのキッカケで警察の思惑が変われば「業界の先輩達に教えられた通りに法律を守って活動していたのに、何故か逮捕されていた」なんて話がいつでも起こり得る。
また法律の面以外でも、社会的な信用が必要とされる場面で、セックスワーカーであるという事実は足枷にしかならない。例えば部屋を借りる際に、どれだけ金を持っていても、どれだけ保証人を揃えられても、職業がセックスワークという時点でハネられてしまうケースが多々ある。AV女優(風俗嬢や水商売も同様だが)は、人に顔を覚えられやすい職業だから、ストーカー対策などは万全にしておきたい。
しかしそうなるとそれ相応のお高いマンションを借りねばならない。