天才テリー伊藤対談「中田喜子」(2)文子役は正直イヤじゃなかったの? (1/2ページ)
テリー そんなお嬢様が、どうして芸能界に入ることになるんですか?
中田 母は歌舞伎が大好きでよく観に連れて行ってくれたので、その影響でお芝居に興味を持ちまして。
テリー 理由もまた、実にお嬢様っぽいね(笑)。
中田 なので、高校を卒業してすぐ、日活撮影所でテレビ部の俳優養成所に所属したんです。
テリー 就職も進学も頭になかった?
中田 はい、もういきなりプロダクションに所属して。3年たって芽が出なかったら魚市場の仲買人の仕事をするという条件で、やらせてもらったんですよ。
テリー やっぱり親は反対だったんだね。
中田 でも、その3年目で朝のドラマの主人公オーディションに受かったんです。それがちょうど「やっちゃば育ち」という八百屋市場の話だったものですから。
テリー 中田さんに白羽の矢が立ったわけだ。じゃあ、もう生活は一変したよね。
中田 それはもう。何しろ我が家は夜の8時に寝てしまいますから。9時に電話がかかってこようものなら「こんな夜中に何だ!?」って怒られますし(笑)。
テリー 築地はみんなそうですよね。
中田 ええ。それが撮影のために、深夜の2時、3時に帰ってくるのは当たり前。母たちが市場に行く時間に帰ってくるようになってしまいましたからね。
テリー でも、それと同時に中田さんの名前も全国区になっていきますよね。それは喜んでもらえたんじゃないですか?
中田 ええ、母は喜んでいましたね。