パチンコ店より保育所を作るべき!中国人が感じる民主主義のマイナス面 (1/2ページ)

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中国人が指摘する日本の民主主義のマイナス面とは? (C)孫向文/大洋図書
中国人が指摘する日本の民主主義のマイナス面とは? (C)孫向文/大洋図書

 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。2016年4月12日、千葉県市川市で園児の騒音などを理由とした近隣住民の苦情を受け、保育所の開設が中止になったことが発覚しました。同様の事例は日本中で発生しています。

■保育施設は行政側の判断で…?

 2016年4月24日付けの毎日新聞の記事によると、2012年以降、近隣住民の反対意見で保育施設開設を断念した事例が全国で少なくとも11件程度あったそうです。また住民側の要望による設計変更などを理由に開設が遅れた事例も15件程度あったそうです。

 少子高齢化が懸念される日本にとって、将来の世代を育成する保育施設は絶対に必要な場所です。批判を承知の上で僕の意見を述べると、保育施設建設の際に反対意見が挙がった場合は、彼らの意見を尊重せず行政側の判断で建設を進行してもいいと思います。

 このような意見を述べると「普段、孫向文が否定している中共と同じ理論だ!」という批判が上がるかもしれませんが、現在の日本の都市開発はあまりにも利権が優先されているというのが僕の感想です。

 訪日後、僕は関東の地方都市で数年間暮らしているのですが、1年ほど前、市内に大型パチンコ店建設が発表されたことを受け、建設予定地の近隣住民が反対運動を巻き起こしました。しかし住民たちの願いは叶わず建設は予定どおり施工され、市内の一角に巨大なパチンコ店が誕生したのです。

 すでに駅前には数軒のパチンコ店が存在しており、市内のパチンコ店の数は飽和状態です。また僕の知人が住む都市も、数年前から老舗デパートやスーパーの跡地にパチンコチェーン店が次々と進出し、街の景観を損ねているそうです。

 実質的な公認ギャンブル場であるパチンコ店の林立は、都市の犯罪率増加や風紀の乱れを招くおそれがあると思います。加えて気軽にパチンコができる環境はギャンブル依存者を増加させる可能性があります。このような施設が近隣住民の反対意見を無視してまで建設される理由は、ひとえに「儲かる」からでしょう。

 施設近隣に経済的利益をもたらさない保育園より、多額の利益をもたらすパチンコ店の建設が優先される現状は、「多数が求めるものが作られる」という民主主義の原則をある意味体現しているといえます。しかしパチンコ店から発せられる騒音はとても大きく、近隣住民に与える心理的苦痛は保育施設の比ではありません。

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