世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第173回 熊本地震と防災安全保障 (1/3ページ)
最大震度7の大地震。その後に発生したマグニチュード7.3の本震。さらに続く強い余震…。
熊本地震の被害は想像以上に大きい。
筆者は熊本県の阿蘇山から西に40キロメートルほど離れた山鹿市で生を得たため、阿蘇村の阿蘇大橋が崩れ落ちた光景をテレビで視聴し、ショックを受けてしまった。阿蘇山に向かう際に普通に通っていたあの巨大な橋が、土砂崩れにより崩落してしまったのだ。
熊本の象徴であった熊本城の石垣や屋根瓦も崩れ落ち、無残な姿と化した。熊本県出身者の一人として大変悲しい。被災者が自宅に戻り、日常を取り戻すことができたら、早期に熊本城を再建してほしいと願う。
それにしても本稿執筆時点(4月20日)で、最初に発生した4月14日以降、震度5弱を超える地震が20回も起きたのだ。信じられないほどの大地震の「頻発」である。
九州は比較的「地震が少ない」と言われていた。とはいえ、現実は違った。日本国に住んでいる以上、大地震から逃れることはできないと、あらためて理解できた。それにもかかわらず、日本政府や政治家、いや「日本国民」は大地震に対する備えをおろそかにしてきた。
今回の震災では、本来「救援活動の拠点」になるべき建造物までもが倒壊の危機に瀕している。後日震度7に訂正された16日未明の本震で、熊本県宇土市の市役所本庁舎は鉄筋コンクリート造り5階建ての建物の4階部分が押しつぶされ、崩壊寸前になってしまった。宇土市役所本庁舎は1965年5月の竣工から、すでに51年が経過している。何と半世紀前に建設された建造物なのだ。
実は今年の2月29日に宇土市庁舎建設検討委員会が開かれ、
「宇土市役所本庁舎は昭和40年5月の竣工から51年経過し、老朽化が著しく、さらには耐震性にも大きな問題を抱えております−(中略)−そのような課題もあることから、市では市庁舎建設についての方向性を検討するため、市民代表や学識経験者などからなる『宇土市庁舎建設検討委員会』を設置し、検討を行っていきます」
と、市庁舎建て替えの検討が始まったところだったのだ。そのわずか1カ月半後に熊本地震に見舞われ、建物が半壊状態になってしまった。