農産物の“6次産業化”なるか?伝統野菜で「地域創生の種」を播く (1/3ページ)
大和伝統野菜の一つ「大和まな」の種。小さな種を採取するのは大変な作業だが、一粒の命も無駄にはできない。
私たちが日々口にしている野菜や果物といった植物は、子孫を残すため、種を作る。
今の時代、お金を出せば簡単に食べ物は手に入るので、我々はまるで“工業製品”であるかのような錯覚をしてしまうのだが、野菜も“生き物”でその元は種だ。
今回は、食べ物の種から“持続可能な暮らし”を考えてみよう。
■ ひっそりと「家族のため」に守られた在来種
大和まな、宇陀金ごぼう、ひもとうがらし、大和いも、片平あかね、大和三尺きゅうり、大和丸なす、筒井れんこん……。
いずれも“大和伝統野菜”で、戦前から奈良で生産されてきた。
近年京野菜や加賀野野菜などのブランド野菜は人気だが、奈良県も“大和伝統野菜”を認定し、知名度アップに取り組んでいる。

日本人にとって大切な五穀の一つ粟の中でも最高級とされる「むこだまし」。三浦氏が、奇跡的に「むこだまし」の種を見つけて復活した。
一般的な野菜を栽培するための種は、現在“F1種”が主流だ。“F1種”とは、病気に強く均一に育つなど栽培しやすく、収穫量向上を目指して品種改良された種。
しかし、その特長は一代限りで、種採りをしても翌年も同様に収穫できるとは限らない。
伝統野菜は、その土地の気候風土に適した個性のものが定着し、性質も遺伝的に固定化された在来種・固定種の野菜。つくりやすく美味しいが、形や大きさが揃わず量産できないことから、大量生産が求められる現代の流通には適さない。
伝統野菜の多くは、「美味しいから家庭用だけに」と、種が継承され、昭和38年頃までは一般的な生活文化だったという。