まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症」 (3/5ページ)

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そこで、ダニエルは温めた塩水を満たした感覚遮断タンクを購入してその中でぷかぷか浮かび、いつの間にか眠りに落ちて、ついにしっかり4時間半の至福の睡眠をとることができた。

 だが奇妙なことに、ダニエルは目覚めたときにひどい幻覚に悩まされ、自分が生きているのか死んでいるのかよくわからなくなった。ダニエルは数年間苦しみ、さらに本格的な電気痙攣療法などの治療も試したが、そのせいで一時的に意識がなくなった。

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Dying To Sleep (Full Documentary) FFI患者を記録したドキュメンタリー映像

 こうした過激な治療によって、ひどい健忘症に悩まされるようになり、さまざまな勇敢な試みにもかかわらず、ついに命を落とした。

 しかし、一般的なFFI患者よりは命を長らえたことは確かだったため、医師たちはFFIでも寿命を延ばす方法がほかにあるのではないかと思うようになった。コルテリは、少なくとも自分たちができることがなにかあると言える可能性が開かれたと言っている。

新たなる治療法の研究

 一方、ヴェネチアにいる、ロイターらはFFIの治療法発見に近づいたかもしれないと信じている。昨年、ドキシサイクリンという新薬の臨床試験で、この薬がプリオンがくっついて密集するのを防ぐ可能性があることを発表した。つまり、FFIになる危険性のある人の体内にプリオンがたまるのを十分に阻止することができそうだ。そうすれば、病気の進行を遅らせたり、妨害することができるかもしれない。

 しかし、薬を試すのにはひとつ問題がある。シルヴァーノの家系の現在の世代を巻き込んで、遺伝子検査で誰がこの異常遺伝子を持っているのかを調べなくてはならない。だが、お先真っ暗なこんな絶望的な運命が、自分の身にふりかかるという検査結果を誰が聞きたがるだろう?

 そこで、検査はFFIの危険性のない15人の被験者を加えて、彼らにも見せかけの治療を行うことにした。

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