まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症」 (1/5ページ)

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まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症」
まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症」

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 どうあがいても眠ることができず、体や脳の元気を回復するチャンスがまったくなくなる、究極の不眠症ともいうべき恐ろしい病がある。「致死性家族性不眠症(FFI)という病は、1000万人にひとり以下の割合で起こる非常に珍しい遺伝子疾患で、今のところ治療法はなく、発症後の余命は多くの場合約2年以内とされ最終的には死に至るという。

 BBCのレポートによると、FFIはあまり知られていないそうだ。無理もないことだが、この遺伝子を持っている家系の人が沈黙を保っているからだ。自分の子どもにこのような残酷な運命が待ち受けているとは、誰も思いたくないだろう。いつ、家族の誰が、発症するかはまるでわからず、治療法もないとなれば、誰もが話題にしたがらないのも当然だ。

FFIの家系:シルヴァーノの挑戦

 しかし、最近は自分の家系を苦しめてきたこの病気について、あえてオープンにすることを選ぶ家族もいる。イタリア、ヴェネチアに住むのシルヴァーノという男性は、1980年代に53歳でこの不治の病に屈した。彼の父親とふたりの姉妹も同じ病で亡くなっている。彼は自らの遺志で、この病の原因究明のために自分の脳を提供した。この話は、『眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎』という本にまとめられたが、著者のダニエル・T・マックスは、シルヴァーノの家系を18世紀後半のヴェネチアの医師までさかのぼって、この病のことを調べた。
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