まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症」 (4/5ページ)

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今後10年間患者を継続して観察し、もし6人以上がこの病気を免れたら、薬の成果があったということになる。

 だが、コルテリら一部の医師は、ふたつの理由でこの治験には懐疑的だ。まず、被験者によっては、薬の副作用が起こる可能性があり、実際に診断を明かすと不必要な苦痛を与えるかもしれない。それに、たとえ最終的に生存者が何人かいても、それが必ずしも薬が効いたことを示しているとは限らない。80代になるまで発病することのないFFIの遺伝子をもつ、たまたまラッキーな人たちなのかもしれないのだ。

 しかし、シルヴァーノの家族はこのリスクを進んで受けようとしている。何代にもわたって自分たちのDNAに課せられてきたこの呪いから自由になるために戦うチャンスがついにやってきたのだから。

FFIの遺伝子をもつ姉弟

 オーストラリアのクイーンズランドに住む若い姉弟のケースは、最近、アメリカのドキュメンタリー番組60ミニッツでも取り上げられた。ヘイリー(30)とラクラン(28)・ウェブが、最初にFFIに気づいたのはまだ10代の頃のこと。祖母がこの病になったのだ。「10代前半で、うちの家系にはこの呪いがかかっているのに気づいたの」とヘイリーは語った。

 「祖母の具合がどんどん悪くなって、視覚を失い、痴呆の症状を出てきたわ。幻覚をみるようになり、しゃべることもできなくなった。結局、FFIだと診断され、そのとき初めて、うちはFFIの家系なのだとわかった」彼らの母親は2011年に発症し、ひどい幻覚に苦しんで、わずか半年後に他界した。

 ヘイリーとラクランは、現在、異常遺伝子を持っていると診断されているので、いつ、どのようにこの病が襲ってくるかはまったくわからない。「おばは42歳、母は61歳、祖母は69歳、母の弟は20歳で死んだ。自分たちは若くして発症しなけばいいと思っているけれど、それは明日起こるかもしれないし、実は危険ゾーンにいるけれど、あとたっぷり10年の猶予があるのかもしれない。

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