1000年の眠りからよみがえった、インドネシアにある世界遺産の巨大寺院・ボロブドゥール (2/3ページ)
それ以降、ボロブドゥールは土に埋もれ、熱帯雨林に覆われ、1814年に発見されるまでのおよそ1000年ものあいだ、忘れ去られた存在となっていたのです。
発見された当時は損傷が激しく崩壊寸前の状態でしたが、日本を含む27か国の資金援助を得たユネスコが1973年から10年の歳月をかけて修復。
ボロブドゥールは、いわば死の危機に瀕していながら華麗によみがえった遺産なのです。
ボロブドゥールで圧巻なのは、規模だけでなく壁面に彫られた精緻なレリーフの数々。
驚くべき立体感と臨場感。 シャイレーンドラ朝が高い芸術性をもっていたことがうかがえます。
ボロブドゥールには、1,460面ものレリーフとおよそ500体の仏像をはじめ、多数の神像やストゥーパ(仏塔)が祀られており、それらが悟りに至る道を示しているのです。
階段をのぼり、回廊を歩きながら上層に進んでいくと視界が一変します。
第四回廊の上は、悟りの境地である「無色界(欲望を超越した精神世界)」をあらわす三層の円檀。