少しでも更生の足掛かりになれば。ヤクザの指を作り続ける人工ボディ技師 (2/5ページ)
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元暴力団の指を作り続けるということ
「車の事故で指を失くしたら同情されます。しかしやくざの場合は全く逆です。刺青や失くした指が原因で社会復帰できないことが多くあります」
福島さんは元組員の社会復帰の手助けをしてきた功績で、2004年に、「第13回暴力団追放府民大会」で功労賞を受賞、2014年には内閣府『女性のチャレンジ賞』を受賞している。
しかし、元組員のために義指を作り続けるという決断は、彼女の人間関係を壊し、「やくざを受け入れている」と家族からさえ批判を受けたこともある。
1992年に施行された暴対法(「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」の通称)により、福島さんの仕事も忙しくなった。警察の監視は厳しくなり、日本経済もはじけた影響で(暴力団は資金源となる不動産を多く抱えている)、多くの組員が新しい人生を始めようと福島さんの工房を訪れた。
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福島さんの存在は口コミであっという間に暴力団の世界に広まっていった。特に刑務所にいた組員の間では有名となった。
義指の費用は約20万円。福島さんは彼らに義指を作る条件を設けている。それに同意しない場合は、指は作らない。
その条件とはもう二度と暴力団には戻らないこと。また「大阪府暴力団離脱支援センター」との連携し、センター側は社会復帰を願う元組員を福島さんに紹介している。
「本当に組を去ったのか確実な証拠が必要です。また、追加料金を払うから優先しろというのも許可していません。私の作った新しい指が気に入らないという元組員の方もいました。しかし彼らの脅しには屈しません。たとえ工房に来て家具を投げ飛ばされても。幸運にも、そのような事態は頻繁には起こりませんけどね。