自然破壊、税金投入...問題だらけの"JR東海リニア"を大手メディアが批判しないワケ (1/2ページ)

東京ブレイキングニュース

自然破壊、税金投入...問題だらけの"JR東海リニア"を大手メディアが批判しないワケ
自然破壊、税金投入...問題だらけの"JR東海リニア"を大手メディアが批判しないワケ

 総事業費9兆円超でJR東海が東京―大阪間の建設を目指すリニア中央新幹線。2027年の品川―名古屋間の先行開業に向け工事はすでに始まっている。

 筆者は南アルプスの自然破壊の観点から、この問題を登山関係の雑誌を中心に何度か取り上げてきた。超電導技術がどこまで営業路線に活用できるのか、その安全性や経済性は、新幹線の3倍とも言われる過剰な電力を使ってまで実用化させる必要があるのか......「夢の超特急」と言われるわりには、突っ込みどころは満載のはずだが、大手紙やテレビだけでなく、雑誌でも批判的な記事を見かけることが少ない。タブーが事故で隠しようがなくなった原発と比べると、開発の規模に比しておとなしい。しかしそれには仕掛けがある。

 リニアの問題を継続的に追っているフリーランスを筆者はほかに2人しか知らない。先日、そのうちの一人が新たに週刊誌に書かせてもらえなくなったとぼやいていた。その記者が書く記事が雑誌に出る度に、JR東海の広報部の社員が数人で資料を持って雑誌社を訪れ、「ご説明」に上がるのだ。

 小さな記事でも欠かさずやって来て対応に時間を取られるので編集者が根を上げ、以後リニアの件を取り上げるのをやめる、とその記者に通告したという。 当初からリニアの問題点を積極的に取り上げてきた雑誌だけに残念だが、彼の場合、出版社がリニアを批判する単行本を発行し刷り上った後に、その出版社の母体となる大学から待ったがかかって、出版が取りやめになった経験もある。

 この事件がJR東海からの働きかけによる結果かはわからないが、筆者が知っている中でもう一人、フリーランスがリニアを記事にした後、新聞社系の週刊誌が批判的な記事を取り扱わなくなったことがある。 やはり「ご説明」の結果だ。せいぜい一段分の短い記事だったが、そのフリーランスの彼はリニアのことを以後書いていない。週刊誌の場合、キオスクに置かないという奥の手がJRにはあるので、JR東海による牽制は通常より効くかもしれない。

 筆者自身も登山の雑誌で「ご説明」部隊とやり取りした。南アルプスのトンネル工事について特集記事を作るため、自然環境への影響や工事の安全性への懸念についての質問を箇条書きにしてJR東海に送った。

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