自然破壊、税金投入...問題だらけの"JR東海リニア"を大手メディアが批判しないワケ (2/2ページ)
そうすると警戒したのか、しばらくして企画書を送ってほしいと言ってきた。企画書を送ると回答が来たが、実際には質問した複数の質問が一つにまとめられ、回答は「未定」すでに他の報道で知っている以上の内容はあまりなかった。
聞きたいことに答えず誠意も感じられなかったので、締め切りも近づく中、回答は反映せず記事にした。 その後JR東海からは筆者の記事に13カ所のクレームが入った。「一方的」という批判が多かった。筆者としては推進側の意見も載せ、バランスをとったつもりだったので憮然としたが、たしかに数値の引用ミスもあったので謝るべきところは謝った。とはいえ、指摘の内容には、たとえば各県一つの中間駅を「実質無人駅」と書いたら、営業専任要員はいないが「施設管理等の要員」は置いているから間違いと強弁するなど、どちらが「一方的」だと首をかしげるものも多い。
もちろん編集部のほうにも「ご説明」部隊が登場して資料を置いていったのは言うまでもない。 その後も一度同じ雑誌社でルポを書いたところ、5カ所のクレームが入った。このときは編集部が対応してくれたが、どう考えても見解の相違の範囲としか思えなかったので反論すると、延々と数カ月もやり取りが続く。
一回目のときは、リニアはJR東海の全額出資とは言うものの、「資金が尽きた場合、JALのように税金を投じられる可能性は拭えない」と書いた。それに対し「一方的」と言うので、JR側が求めて不動産所得税を免除してもらっている(つまりもう税金は投じられている)と言い返すと返事が来なくなった。どうやら黙ると負けるようだ。
どう考えてもJR東海の広報部は仕事で「嫌がらせ」をしているとしか思えないのだが、実際にそれで雑誌が批判しなくなるのだから侮れない。明らかに「口封じ」が目的だが、言論弾圧を問題にしそうな左派系の雑誌は、最初から効果が上がらないと思っているのか、「ご説明」部隊はやってこない。その代り雑誌に実害もないので企画にもならない。全国紙とテレビ局は最初からやる気がない。どうやらこうすれば翼賛報道は作れるようだ。
Written&Photo by 宗像 充