赤堀雅秋監督に聞く、衝撃作『葛城事件』を映画化した理由 「これは対岸の火事ではない」 (1/3ページ)
『その夜の侍』(12)の赤堀雅秋監督の最新作は、名優・三浦友和演じる一家の長・葛城清が念願のマイホームを建て、理想の家庭を築く生活をスタートするも、その想いとは裏腹に無差別殺人事件の加害者家族になってしまうという衝撃すぎるホームドラマ。赤堀監督による原作舞台の映像化だが、なぜ改めてスクリーンで問うことに!? "二度と観たくない名作"とまでマスコミに言わしめた問題作『葛城事件』について、赤堀雅秋監督に聞く。
――まず、一家がダメになる元凶である父親・葛城清役の三浦友和さんの存在感が圧倒的で、かなりのクズ男っぷりがスクリーンを通してヒリヒリ伝わりました。
僕自身、撮影現場に入ってモニターを通して、凄いなあと感動していました。役者が演技をする時は、脚本上のキャラクターを具現化していく作業のなかでどうしてもわかりやすい表現になりがちですが、そうではなく曖昧模糊とした佇まいが体現できる表現力がすごいと思いました。国民的なスターでありながら、役者としての匿名性がある。本当に素晴らしいと思います。
――今回の『葛城事件』は、池田小事件や秋葉原連続通り魔事件など実際の事件がいくつかモチーフになっていますが、もともとの舞台を映像化したかった一番の理由は何でしょうか?
初めて監督した『その夜の侍』(12)の時に、映画監督の作業が中毒になるくらい面白かったんです。その後、次回作を撮るのであれば『その夜の侍』とは毛色の違う題材でいこうと思っていましたが、この『葛城事件』を映画にすることで面白くなるだろうという、インスピレーションでしかなかったのです。特に僕自身、社会に言いたいことがあったというわけではありません。拍子抜けをするようなことを言ってしまうようですが(笑)。

――でも、『その夜の侍』もですが、こういう事件に関心があるわけですよね?
そうですね。