ツキノワグマ「山林の人喰い現場」を決死ルポ!(2)増加の理由はドングリの豊作 (2/2ページ)
「全身に伝わる骨と爪がきしむギシッという音が今でも忘れられません。そのままものすごい力で足を引き込まれそうになったんですが、もう1頭がそのクマにじゃれついてきて、足から手を放して一緒に遊び始めた。50年生きて『死ぬ!』と思ったのはその時だけでしたね」
もう1人の証言者は、県西部の南秋田郡井川町に住む佐藤幸桜(さちお)氏だ。中学時代に柔道を学び、高校時代にはレスリングで国体5位の成績を残した佐藤氏は、44歳だった99年、農作業中にツキノワグマに襲われた。
「田んぼの中で背中に妙な気配を感じで振り向いたら両前足を振りかぶったクマがいだんです。うまい具合にとっさにすくい投げのような形で投げることができたんだけど、それで逃げてくれずにもう一回左前足を振り上げて襲ってきだ」
佐藤氏は左手でクマの左頬あたりを押さえ、右手で左前足をぐっとつかむ。押しては引くの力比べになったという。
「ものすごい力でした。3分ほどそのまんまでいだらクマが田んぼの泥でズルッと転んだんです。そこで後ろを向いて反対方向へゆっぐり逃げて行ぎました。その日の夜は冷や汗が出で眠れながったです。今でも鮮明に思い出せるほど怖がった。二度と出くわすのはごめんしてもらいたいです」
格闘技の心得がある男盛りの男性ですら、九死に一生を得るほど、ツキノワグマの戦闘力は高い。