軽減税率の真実!8%と10%の境目は?今後どんなトラブルが? (3/3ページ)

Suzie(スージー)

■軽減税率の導入後に予測されるトラブル

軽減税率が導入されたあと、予測されるのは「軽減税率の判断にともなうトラブル」。たとえば、次のような場面です。

(1)年末、デパートのおせち料理を購入したお客様と店員さんとの会話

「ちょっと! このおせち、持ち帰りの食品なんだから8%でしょ! なんで10%なのよ!」

「あのー……お客様。このおせち料理の重箱が一つの商品でして、食品のおせちがメインだとは法律ではみなされないんです。だから10%なんですよ」

「なにいってんのよ! これ、プラスチックでできているじゃないの! 料理の方がずっと豪華よ! 8%よ8%!!」

(2)イートインスペースのあるパン屋さんでの会話

「持って帰って食べるつもりだったけど……。あら、コーヒー無料なのね。じゃ、ここで食べていこうかしら」

「ちょっとちょっとお客さん! あと2%分払ってくださいよ!」

「えっ、なんでよ? もうお会計は済ませたじゃない! 消費税だって払ったわよ!」

「それは8%分でしょ、テイクアウトの場合です。イートインスペースで食べるのなら10%の消費税なんですよ」

最近では、イートインスペースを備えたコンビニも増えています。国税庁の軽減税率制度対応の部門の方いわく、「お会計の都度、いちいち『テイクアウトですか? それともイートインですか?』と聞けばいい」とのこと。

しかし、お昼時などの混雑しているときにいちいちそれを聞くのは面倒ですし、お客さんのイライラも増大します。

さらに、最初からイートインスペースで食べるつもりであっても、2%節約のために「テイクアウト」という可能性もあります。途中で気が変わって店内で食べていく人に店員もわざわざ「追加分の2%払え!」などとはいいたくないでしょう。

「食べ物の消費税は8%据え置きなの? やったぁ! 助かるぅ~」と思う人は多いかもしれません。しかし実際には、おそらく2%のお得分を上回るだけの面倒くささやトラブルの可能性が待ち受けているのです。

(文/税理士・鈴木まゆ子)

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