【ブラックバイト】夜中まで毎日タダ働き?”学生酷使”の壮絶現場 (3/3ページ)

デイリーニュースオンライン

 壮絶なスケジュールをなんとか乗り切る方法を見つけたMさんだったが、塾側は彼にさらなる激務を強いてきたのだという。

「夏期の頃の僕みたいな感じで、書類作りに悪戦苦闘する学生バイトが増えたので、塾側も対策を組むことになりまして。本人が無理な分は、経験者がサポートすることになったんですね。それで、何故か僕がその経験者の枠に入っていたんですよ……それもあいまって冬も大晦日と3が日以外はほぼ毎日塾に行くことになりした」

 結局、激務は受験が本格化する2月まで続き、春期講習を行った後にMさんは逃げるようにその塾を辞めたそうだ。

「もちろん、そんな生活をしていたから自分の学業には全く身が入らず、ゼミ以外の授業はほぼ出られないような状態になっていました。そのせいで1年目は留年ギリギリまで単位を落としてしまい、残りの3年で埋め合わせをするのが結構辛かったですね。塾を辞めた後、次の年にまた別の塾で講師としてバイトをしたんですが、そっちはまったく残業が無くて、時給も比べ物にならないほどよかった。一体僕はあの塾に務めていた時、何をしていたのだろうと思いましたよ」

 からくもブラックバイトから逃げおおせ、留年をはじめとした悲劇を回避したMさん。彼は自身の経験を踏まえて、こうしたバイトから逃げる術をこう語った。

「僕もあの頃は、『自分がここで逃げたら周りに迷惑がかかるし、生徒たちはどうなるんだろう』と思って辞められなかったけど、そもそもバイトなのにそんな責任感持つこと自体がおかしいんですよ。やっぱり、自分は所詮バイトなんだってのを常に念頭に置いて、いざとなったら逃げるの上等、ぐらいのつもりでいた方がいいですね。金を稼ぐバイトのために留年したり、病気になったらバカらしいじゃないですか。別に辞めたってバイトなんかすぐ見つかりますからね」

 卒業後の奨学金による生活苦なども問題になる中、こうしたブラックバイトもまた学生たちを追い込んでいく。様々な政党が若者の希望を持てる社会の実現を叫んでいるが、実情はまさに真逆を行きつつあるようだ。

文・阿蘭澄史(あらん・すみし)
※1974年滋賀県出身。フリー記者。某在京スポーツ紙の契約記者を経て、現在は週刊誌等で活躍中。主な著書に『真相!アイドル流出事件簿』(ミリオン出版)、『事務所をクビになった芸能人』(竹書房)、『芸能人のタブー』(宙出版)など。
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