吉田豪インタビュー企画:渡辺淳之介「BiSはスクールカーストの最下層系で一般ピープルの星」(1) (1/4ページ)
プロインタビュアー吉田豪が注目の人にガチンコ取材を挑むロングインタビュー企画。今回のゲストは“全裸PV”などの数々の過激な活動で知られるアイドルグループ・BiSの仕掛け人であり、現在は、BiSHなどのグループを手がけている渡辺淳之介さん。最近ではその半生を追った本『渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする』が出版されたばかり。その独自のアイドルプロデュース論に迫ります!
■アイドルの運営側の人生を掘り下げた、まさかの本
渡辺 清原和博さんとかが登場するようなインタビュー連載で、なんで僕がゲストなんですか? てっきりデスブログ的な意味合いかと思ったんですけど(笑)。
──渡辺さんも今回の本で学生時代にキノコをやってた話を書いてましたからね(笑)。
渡辺 もうやってないんで大丈夫です! でも、あの頃は……(以下、大人の事情で大幅削除)。
──さあ、使える話をしますよ!
渡辺 はい!
──そんなわけで渡辺さんの本『渡辺淳之介』が出たわけですけど、画期的でしたよね。アイドルグループの運営がグループをどうやって成功させたのかを掘り下げる本や、アイドルグループの作り方を掘り下げた実用書とかはありますけど、運営の人生を掘り下げた本ってこれまで存在しないじゃないですか。
渡辺 いや僕も頭が狂ってるのかと思って。吉田豪さんに『AERA』の書評に書いていただいたとおりで、なぜこんなことを書いてるんだ、みたいな(笑)。
──しかも、根本的な情報が抜け落ちすぎてるんですよね。まず渡辺さんはBiSというグループを成功させた人で、BiSがどういう活動をしてきたのかっていう説明があってから渡辺さんの話にくるべきなのに、ひたすら渡辺さんの生い立ちを掘り下げまくって、BiSの説明がごっそり抜けているという(笑)。読者がみんなBiSの細かいエピソードを知ってる前提で書かれているんですよね。
渡辺 そうですね。どんだけクローズドな話なんだ、みたいな感じだったんですけど。最初に版元から言われたのが「高校生に勇気を与えたい」と。で、図書館とかにも置かれるっぽいから、とりあえず渡辺さんの人生を語ってもらう、みたいな話で。
──ドロップアウトした人でも社会で成功できますよ、みたいな勇気を与える感じの。
渡辺 そうです、そういう話だったんですけど、僕もよくよく考えたら会社を立ち上げて2年目だし、まだ何も成功してないのにどうしようかなみたいな感じだったんですけど、僕も出たがりなんで人生で1回ぐらい本を出す経験してもいいかなって。
──ましてやこんな本のタイトルありえないですからね、『渡辺淳之介』って(笑)。
渡辺 ハハハハハ! ホントおもしろいですよね。僕っぽいなーと思いながら。
──なので、この本で抜け落ちているところを今日は聞けたらなって感じです。