いい加減、「社会人」なんて意味不明な言葉を使うのはやめませんか? (2/3ページ)

ハナクロ

地域のボランティア活動、週末のイベント参加などの活動のみならず、お店に行って商品を買うだとか、さらに言ってしまえば、住居があり普通に生活しているだけでも、“社会に参加”していると言えるのではないでしょうか。

「働く」ことを基準にしてしまえば、年金暮らしをしている高齢者や学業に励む学生などは当てはまらなくなってしまいます。ですがもちろん、彼らも“社会に参加し、その中で自身の役割を担い生き”ていることに変わりはありません。各々の役割を果たしつつ、日本社会に身を置いて生活しています。

つまり、“社会”という言葉の意味をそのまま受け取れば、ぶっちゃけ、「生きているだけでみんな社会人!」なのです。――にも関わらず、謎の「社会人らしさ」を求められる現状。ワケガワカラナイヨ。

経済産業省の示す「社会人基礎力」って?

そんなワケワカメな「社会人」。しかし他方で、調べてみると、経済産業省が提唱する「社会人基礎力」という概念が目に入りました。

「社会人基礎力」とは、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年から提唱しています。(出典元:経済産業省)

なるほど、これを上司の指摘する「社会人らしさ」だと考えると、なんとなく理解はできます。組織や集団で協力して物事に取り組むため、必要となる能力の基準、と言いましょうか。

実際、ここで指摘されている各項目について、見覚えがある人もいるのでは?会社の査定において自己評価制度を取り入れている企業では、上記の項目を評価基準としているところもあるとか。そう考えれば、「社会人らしさ」が重視される理由もわかるような気がします。

ただし、単に「社会人らしい行動を心がけるように!」では伝わりません。具体的に何が欠けていて、どのような行動を意識的にすればいいのか。そこまで指摘してもらわなければ、テンプレート的な会話をして終わってしまうだけです。

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