いい加減、「社会人」なんて意味不明な言葉を使うのはやめませんか? (3/3ページ)

ハナクロ

お互い、何も得られるものはありません。

例えば、ビジネスマナーがきちんと身についていない人に「社会人らしくしなさい!」と言っても、何をどう直せばいいのか伝わらないと思います。そういう人には「きちんとビジネスマナーを身につけなさい」と言うべきなのです。

経済産業省が提唱する「社会人基礎力」でいうなれば、『社会人らしさ』とは「「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」。ビジネスマナーが身についている人、という定義はありませんので、これらを一緒くたにするべきではないのではないでしょうか。

だったら、「会社員」でも良いじゃん

Business image two men

僕は学生時代から「社会人」という言葉に違和感を覚えていたのですが、会社を辞めてから、より強くこの表現に疑問を持つようになりました。というのも、人によってこの言葉の使い方、意味合いがまったく異なるように思えたので。

ある友人は「無職は社会人じゃねーよww」と言い、別の友人は「え?学校を卒業していれば働いてなくても社会人でしょ?」と語り、また別の友人は「『社会人』とか意味不明だから使わないようにしてる」と話していました。……やっぱり、人によって定義がバラバラなんですよね。

先ほどのWikipediaでも、“日本語以外の諸外国語では日本で言うところの“社会人”をさす言葉はほとんど見られない”とあるように、やはりこれは世界的に見ても独特な表現であるようです。もしかすると、これから徐々に定義が定まっていくのかもしれませんが、今は曖昧な状態。

それなら、「会社員」とか「会社人」でも良いんじゃない? というのが、僕の素直な感想です。「会社人」と言うとハードワーカーな印象がありますが、「会社員」なら立ち位置ははっきりしていますし。「学生」「無職」「フリーランス」などとも差別化できて、わかりやすいと思います。

なんにせよ、さまざまな捉え方ができる「社会人」というワード、自分なりの確立した意見がない限りは乱用しないほうがいいかもしれません。鋭い人がいれば、突っ込まれる可能性もあるので。「君の言う社会人ってどんな人?」「なぜそういう定義をするの?」と面接なんかで聞かれるかもしれませんしね。

その便利さゆえ、つい軽い気持ちで使ってしまいがちな言葉、「社会人」。使うのであれば、その意味合いは明確にしたうえで発しないと、相手に伝わるものも伝わりません。些細なことかもしれませんが、一度、意識してみてはいかがでしょうか。

「いい加減、「社会人」なんて意味不明な言葉を使うのはやめませんか?」のページです。デイリーニュースオンラインは、カルチャーなどの最新ニュースを毎日配信しています。
ページの先頭へ戻る