【ツレが産後ウツになりまして】第8回:アトピー性皮膚炎との闘い・除去食の日々<後編>

It Mama

【ツレが産後ウツになりまして】第8回:アトピー性皮膚炎との闘い・除去食の日々<後編>

【お子さまの件ですが、アトピー性皮膚炎である可能性が高いと思われます】

大学病院の先生から届いた一通のメールから始まったわが子のアレルギー問題(『アトピー性皮膚炎との闘い <前編>』より)、そしてスタートした除去食の日々。

自身の不妊治療奮闘記を綴った『俺たち妊活部』の著者・村橋ゴローが見た、最愛の妻が産後ウツになっていく……壮絶な産後育児をお伝えします。

■卵、小麦粉、大豆、イモ類、乳製品を除去。何を食べりゃいいの!?

生後1ヶ月検診で、「アトピー性皮膚炎の疑いあり」と診断された、わが子。では一体、赤ちゃんは何アレルギーなのか? 

まず血液検査で出たのが、「卵」と「小麦粉」へのアレルギー反応が出た。

わが家の場合、ミルクと母乳の半々で育てていたため、妻が食べたものが直接、赤ちゃんの体内に入ってしまう。そのため、妻の食事制限が始まった。

村橋家の台所は、僕が預かっている。つまり、結婚以来10年間食事はずっと僕が作り続けてきたわけで、この食事制限は僕を大いに悩ませた。

それでもわが子のためだと思い、手始めに、朝の定番・目玉焼き、おやつのクッキー類、ラーメン・うどん・パスタといった小麦製品すべてが食卓から消えた。これを1ヶ月続け、迎えた2ヶ月検診。これだけ我慢したのだから、わが子の全身を覆う赤いブツブツも良くなるだろう。

先生は伏し目がちに、こう言った。

「卵と小麦粉を除去しても、まだアレルギー反応が見られますね。お辛いでしょうが、卵に小麦、これらにプラスして、大豆とイモ類、そして乳製品を除去した食事制限をお願いします。」

一体、何を食えばいいというのか。

■大好きだったスーパー巡りが、欝々とした時間に

スーパーに行き、広い店内を見渡す。今まではお金の許す範囲で、好きなものを好きなだけ買っていた。

「これを食べようかな、やっぱりあっちを食べよう。」

そんな楽しみは、もうなくなった。

まずはお惣菜コーナーを覗く。「何を食べたい」ではなく、「何が食べられるか」。おかずの入ったプラスチックを裏返し、ひとつずつ成分表とにらみっこしていった。

だが、この5つの成分のどれかが必ず入っていて、どれも食べられない。加工食品のコーナーに歩を進め同じことを繰り返すが、何ひとつ食べられるものがなかった。

こうなったら、もう素材そのものを食べるしかなくなった。しかしサラダひとつ取ってもドレッシングには卵や乳製品が入っているのでNG。お刺身ひとつ取っても、醤油は大豆製品なのでつけることもできない。

結果、白米と、塩コショウを振って焼いた肉か魚、これしか食べるものがなくなった。本当にこれだけ。朝昼晩、全部これ。

食に執着がなく、出されたものだけを喜んで食べてくれる妻だが、これではあまりにもかわいそうだ。別に僕がやる必要はないのだが、妻だけに食事制限させるのが忍びなく、僕もそれに倣った。

「あなたは好きなものを食べて」と言われたが、とてもじゃないがそんな気にはなれなかった。

■ビーフシチューと妻の愛

そんな食生活を続けて、3ヶ月。季節は冬となり、赤ちゃんと初めて過ごすクリスマスまであと数日、というある日のこと。朝、NHKの料理番組でビーフシチューをやっていた。

それを観ていた妻が、ぼそりと「美味しそう……」。

わが子のためにと、文句のひとつも言わず食事制限を続けていた妻。いじらしさが込み上げてきた僕は、その晩ビーフシチューを作った。

市販のルウやデミグラスソースには大豆が入っているため、クックパッドとにらめっこしながらルウから作ってみた。

……が、結局失敗した。どう味わったって失敗。僕は途中で食べるのをやめてしまった。

それでも妻は「美味しい、美味しい」と言って、食べるのをやめない。

「りえちゃん、ムリしなくていいよ! そんな失敗しちゃったやつ」

僕は、思い描いた通りのものを食べさせてあげられなかったことに、少しイラついていたので、そう言った。しかし、

「あれも食べられない、これも食べられないっていうアタシのために、あなたは凄く頑張ってくれた。アタシはとても幸せだと思う」

様々な試練が、とめどもなく襲ってくる。それでも、そこから逃げることなく立ち向かっていけば、何か大切なものが得られるんだ。僕はそのとき、知った。

【参考・画像】

※ Evgeny Atamanenko、06photo/ Shutterstock

※ 村橋ゴロー(2016)『俺たち妊活部』(主婦の友社)

※ d13、 glebTv、Africa Studio/ Shutterstock

【著者略歴】

※ 村橋ゴロー・・・72年、東京都出身。大学生のときライターデビュー。以降、男性誌から女性誌、学年誌など幅広い分野で活躍。千原ジュニア、田村淳、タカアンドトシ、次長課長、高橋克典など多くの芸人、俳優陣の連載構成を手掛ける。3年に及ぶ、自身の不妊治療奮闘記をまとめた著作『俺たち妊活部』(主婦の友社刊)が好評を博す。また主な構成/著作に、『すなわち、便所は宇宙である』シリーズ(千原ジュニア著・扶桑社刊)、累計200万部突破した『GO!GO!バカ画像シリーズ』、『裏モテの秘策』(ともにKKベストセラーズ刊)などがある。結婚以来11年間、炊事・洗濯・掃除をこなす兼業主夫でもある。Twitter:@muragoro

【参考・画像】

※ SvetlanaFedoseyeva、Alliance / Shutterstock

※ 『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』

※ 『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』

【著者略歴】

※ 立石美津子・・・20年間学習塾を経営、現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は『〈マンガとQ&Aで楽しくわかる〉1人でできる子になる 「テキトー母さん」流 子育てのコツ』『心と頭がすくすく育つ読み聞かせ』『「はずれ先生」にあたった時に読む本』『一人でできる子が育つ「テキトーかあさん」のすすめ』ほか多数。
オフィシャルサイト http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/

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