取材費は1円も出ない!もう編集部に漫画を持ち込むのは時代遅れ (1/3ページ)
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漫画
前回、新人漫画家が40ページの読み切り原稿を描くのに半年~1年かかるという記事を書きました。
では、その期間、編集部から支払われる金額は何円だと思いますか? 編集部にもよりますが、原稿料は1ページ約1万円。少女漫画だと、1ページ6千円などというところもあるようです。ただ、ネット漫画だと、その半額以下ということも……。
出版不況下、1ページに1万円支払われる環境は恵まれているといっていいでしょう。
ただ、わかりやすい金額のほうが読者はイメージしやすいです。そのため、今回は青年誌や少年誌を基準に「1ページ1万円」という想定で話を進めていきましょう。
■40ページの作品は36万円!
1ページ1万円ということは、約1年かけて心血注いだ読み切りに支払われる原稿料が、40ページの作品だと40万円ということになります。
そこから税金を差し引かれて約36万円。もちろん、ボツになれば原稿料は支払われないので、原稿料をもらえるのは数年に一度ということになります。
「だったら、少しでもページ数の多い作品を描けばいいじゃないか」と思うかもしれません。しかし残念ながらそれほど簡単な話ではなく、新人に割いてもらえるページ数は限られています。
だいたい、私が関わっていた編集部で上限が40ページぐらい。それを超えると、どんなにおもしろい作品でも、誌面に掲載されにくくなるのです。
■取材をしない作品はリスクあり
また最近(とくに青年誌)では、よりリアルな作品が求められるようになってきました。職業ものなどは人気ですね。
でも漫画家が、自分が経験したこともない職業を物語として成立させるには、綿密な取材が必要になってきます。 しかし、連載前の作家に取材費は支払われません。
私が某編集部に提出していた作品は、取材費に(交通費等も合わせて)約10万円かかりました。しかしボツになったため、原稿料はもちろん、取材費も1円も支払われておりません。