4倍値上げのガトーショコラが「バカ売れ」するようになった理由 (1/3ページ)
『なぜ、お客様は「そっち」を買いたくなるのか?』(理央周著、実務教育出版)の著者は、コンサルタントや研修講師として多くの企業を見てきたという人物。
そのなかには、毎年過去の業績を上回る収益を上げている企業もあれば、うまくいかずに事業を縮小する企業もあったのだといいます。
そして、数多くの企業を見てきた結果、売れない企業には理由があることを発見したのだそうです。それは、「売ろう」とするから「売れない」ということ。
つまり、お客様も“売るための広告”に慣れているからこそ、「買ってください」と売り込むよりも、お客様のほうから「そんなにいいものならほしい」「行ってみたい」と思ってもらえるようにすることが大切だという考え方です。
ちなみに、成果を出しているお店のオーナーや企業経営者に共通しているのは、「熱心」「素直」「早い」の3つなのだそうです。
知らなかった重要なことを「熱心に」聞き、思い込みや過去の成功体験などにとらわれることなく「素直に」受け止め、市場のスピードやお客様に置いていかれないように「すばやく」動くということ。
そこで本書では、身近な事例をもとにして「なぜ売れるのか?」をマーケティングの考え方によって解説しているわけです。
きょうはそのなかから、ロールケーキの値段についてのクイズをご紹介したいと思います。
■フルーツケーキが売れないとき値下げするべきか?
【クイズ】
ご自分が、都心にあるケーキショップのオーナーパティシエだったとします。
目玉商品としてフルーツロールケーキを開発し、まわりの店の相場と同じく、1本1,500円で売り出しました。
ところがまったく売れなかったため、価格変更を検討しています。
さて、このとき、お求めやすく1,000円に値下げするか、いっそのこと値上げするか、どちらにすべきでしょうか?
この問いへの答えを導き出すにあたって著者は、ファンに愛されるブランドを形成する5つの資産を紹介しています。