小笠原近海も危険水域 日米vs中国「潜水艦戦争」勃発シナリオ (1/3ページ)
7月12日、ハーグ(オランダ)の仲裁裁判所が下した南シナ海での中国の主権を全面却下する判決に対して、中国は「紙クズに意味はない」と言い放った。だが、米国がこんな暴言を許すはずがない。すでに両国は一触即発状態にあり、日本も巻き込まれるのは必至だ。
「習近平国家主席はフィリピンのドゥテルテ新大統領就任の祝電で『中国とフィリピンは引っ越しできない近隣だ』と右手で握手をしながら、左手では判決に先立つ7月5日〜11日に南シナ海で艦船100隻を動員した実弾演習を展開しています。すでにASEANは分断され、中国寄りのラオス、カンボジアに加え、タイとブルネイを黙らせました。マレーシア、インドネシアには発言を控えさせ、残る強硬派はフィリピンとベトナムだけになっていたのです。演習には呉勝利以下4名の大将が参加し、フィリピンに海軍兵力を見せつけながら、その裏でマニラの資本華僑を動かし、ドゥテルテの懐柔を試みた。案の定、ドゥテルテ大統領は唐突にアキノ前政権が展開した対中強硬路線を引っ込め、領海紛争は話し合いで臨み、さらに資源開発は共同で行うと急激にトーンダウンしてしまいました」(防衛系シンクタンク研究員)
中比が和解すれば「ハーグ判決」は骨抜きになり、日米などが口出しする余地はなくなる。しかも、中国は台湾にまで共闘を呼び掛けている。
「“一つの中国”を受け入れず交流を停止した台湾の蔡英文政権が、同じく『実効支配している太平島は“岩”だ』とされたことへの反発に乗じ、中国は台湾に向けて共闘を呼び掛けるコメントを素早く公表しています。ASEAN諸国が中国に『提訴されたくなかったらカネ(援助)をちょうだい』とせびれば、待ってましたとばかりにOKし、個別に『九段線』を認めさせるでしょう。このスピーディーな展開に日米は付いていけるか心配です」(同)
南シナ海の領有権問題に関し、1953年から中国がその全域にわたる権利を主張するために地図上に引いている「九段線」は、中国の西太平洋支配を形成するための「第一列島線」と重複している。同線は九州を起点に沖縄、台湾、フィリピン、ボルネオ島に至るラインを指し、日本の九州と沖縄は“中国の領土”となっている。