資産運用で損失100万円!株式投資で失敗する2つの心理的原因 (3/3ページ)

Suzie(スージー)

証券会社の営業マンや株式評論家の意見に従う、あるいはマネー雑誌の袋とじの株を買うなど、周囲の意見に左右されて株の売買を決定しているのです。

なかには「他の株主はもう売却しているよ」のひとことで動揺し、慌てて売却する人もいるほどです。

なぜ、このようなことが生じるのでしょうか。

こういった心理現象は「ハーディング現象」として説明ができます。「ハーディング現象」とは、「みんなと同じであることで安心する」心理のこと。この心理は、諸外国にくらべて日本人に特に多いとされています。

それは、「出る杭は打たれる」「波風立たせない」「赤信号みんなで渡れば怖くない」という日本独特の言い回しからも理解できます。

株式投資は、「お金」という人間の生存欲に強く影響を与えるものに関わる活動です。さらに扱う金額も100円、1,000円ではなく、10万円、100万円といった大きな単位になります。

当然、日常の買い物などとは違い「安心したい」「危ないことはしたくない」という感情が大きく動きます。そのために、得を狙って始めたはずの株式投資で、「みんなと同じ」を求め、結果として儲からずに失敗するのです。

つけ加えるなら、幼少期から親や学校のいいなりで育ち、自分の頭で考えて行動を決めることをして来なかった日本人特有の「自由に考えてはいけない」という思い込みも大きく作用しています。

心理の奥底に、失敗に対する極端な恐怖が隠れているのです。

繰り返しになりますが、株式投資には、人間にとって大事な生命や生活、人生を大きく左右する「お金」が絡みます。大事なものを左右するということは、欲や感情を左右するということです。

欲や感情に左右されると投資は失敗します。投資で成功するためには、冷静さや理性と言った大人の態度が必要です。それには「自分の欲や感情の動き方を知る」ことが前提となります。

「敵を知り、己を知れば百戦危うからず」という言葉が孫氏の「兵法」にあります。株式投資もまたしかり。欲や感情を甘く見ず、一歩自分を客観視する姿勢を保って投資を成功させましょう。

(文/税理士・心理セラピスト 鈴木まゆ子)

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