東京から岡山へ、Uターンで「仏を彫る」生き方を選んだ元教師【前篇】 「彫るということは三次元を三次元として表せばよい」 (4/5ページ)

AolNews

一般的に仏師には、どのようにしてなれるものなのでしょう?

芸術系の大学の仏像彫刻科があるところへ行くか、仏師の弟子になるか、仏師が経営する学校に入るか、だと思います。ただし、釣り針を付けないで糸を垂らし釣り続ける太公望のような心境が必要だと思います。つまり、彫ることが好きであること、途中で諦めないほど好きであることが必要だと思いますね。

仏像以外の制作品
―かなり気長にやっていくお仕事なのですね...もともと彫ることはお好きだったんですか?

ええ、以前から彫刻は好きだったし身近なものに感じていました。なので、簡単な花や柿などは彫っていたのですが、なにか物足りなくて...。挑戦したい気持ちが湧いてきたのだと思います。
我々が住む三次元を二次元の絵にする方が本当は難しいはずです。彫るということは、三次元を三次元として表せばよいのですから。学校教育が、紙と鉛筆があればできる絵を優先したのかどうかわかりませんが、在るがままを、在るがままの形で表現する方が、人間として本当は自然だし、楽だと思うのですが、いかがでしょう?

―うーん、我々には難しいですね。そもそも仏像を彫るということ自体、手順も想像つきづらいですし...。それで、弟子入りしてから仏像を制作されるようになった、と?

いやいや、いきなり仏像を彫るなんてとんでもない!(苦笑)。まず模様掘りから始まり、先生のOKが出れば、次に左右の手、握り手、開き手が基本。OKが出れば、左右の足。OKが出れば次に顔、釈迦、阿弥陀仏、観音、不動明王、等々。それらのOKが出て、やっと、百済観音や釈迦如来、観音立像などを彫らせてもらえる。ここまで来るのに1年はみておいた方がよいでしょう。というのも、基本を身に着けておかないと顔と体、脚バランスが悪くなったり、出来上がった時に立たないでひっくり返ったりするからです。

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