【永田町炎上】石原、小池…独裁者に翻弄される都庁官僚の嘆き節 (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

■役人が「独善」で決めたのではないことを装う「専門家会議」

 メディアなどは「有識者会議」や「技術会議」の提言をさながら金科玉条のごとく扱い、それに従わなかった都庁官僚を「悪」と決めつけているが、それは行政の実態を知らないからだ。国・地方を問わず何かを決めるにあたっては、「有識者会議」なるものを設けるのが常套手段だ。多くは単なる「助言機関」に過ぎない。

 なぜそんなことが必要なのかといえば、職員が「独善」ではなく、豊富な専門知識を持つ公平な第三者の意見を謹んで拝聴した上で決めたことを装う一種の議会と有権者に対する対策だ。そうしておけば、野党や反体制的な勢力といえども露骨に反対しにくい。

 むろん単なる「儀式」に過ぎないなら、法的には従う法的義務はない。その提言を取り入れるかどうかの最終的な判断権は行政の最高責任者である知事にある。その意味では有識者たちの提言を無視した石原知事や知事の意向を優先させた都庁官僚たちに罪はない。

■犯人捜しよりも「食の安全」の検証が肝心だ

 実際の行政事務は先ず担当職員が案を起こし(これを「起案」と呼ぶ)、起案文書を下から順に回覧し、権限ある者の決裁を受けて知事の名で行う。決裁権者は案件によって内規で決められている。都庁であれば、重要なものから知事、局長、部長、課長の各級決裁の順となる。知事決裁などは滅多になく、大半は局長決裁どまりだが、なかには机の上の決裁文書の山を見ただけでうんざりし、ろくに書類に目を通さないで機械的に「判」を押すだけの横着な仕事しかしない者もいるから、自分がいったいどんな案件を決裁したのか「自覚していない」などといった馬鹿げた現象が起こりうる。豊洲の場合も必ず決裁権者が「判」を押しているはずだ。それでも「誰がいつ決めた」のが判然しないのは、おそらくその者がほとんど案件に興味を持たず、ろくに書類も見ず、起案者に説明を求めず、ダラけた仕事しかしなかったからだとも考えられなくもない。

 いずれにせよ、敷地全体に「盛り土」をしようが建物下に地下空間を設けようが、そんなことは大した問題ではない。何より肝心なのは現状のままで果たして「食の安全」が担保できるのかではないのか。小池知事は職員処分などより、まずはそちらの検証に全力を尽くすべきだろう。

文・朝倉秀雄(あさくらひでお)
※ノンフィクション作家。元国会議員秘書。中央大学法学部卒業後、中央大学白門会司法会計研究所室員を経て国会議員政策秘書。衆参8名の国会議員を補佐し、資金管理団体の会計責任者として政治献金の管理にも携わる。現職を退いた現在も永田町との太いパイプを活かして、取材・執筆活動を行っている。著書に『国会議員とカネ』(宝島社)、『国会議員裏物語』『戦後総理の査定ファイル』『日本はアメリカとどう関わってきたか?』(以上、彩図社)など。最新刊『平成闇の権力 政財界事件簿』(イースト・プレス)が好評発売中。
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