天才テリー伊藤対談「藤竜也」(4)芦川いづみさんは最高の奥さんだな (1/2ページ)
テリー そうだ、藤さんにお会いしたら、絶対に言いたいことがあったんですよ! これは僕からの文句でもあるんですけど。
藤 それは怖いなァ(笑)、何でしょう?
テリー 僕ね、今までの人生の中で、いちばん好きな女優が(藤さんの奥さんの)芦川いづみさんなんですよ。芦川さんの出ている映画は全部観ています。
藤 僕、テリーさんみたいな人、いっぱい知ってますよ。僕の人生は、そういう人の視線に耐えながら生きる人生なんです(苦笑)。
テリー 僕は当時、芦川さんを“和製オードリー・ヘップバーン”、本当に特別な女優さんだと思ってたんです。
藤 そうですね。自分の女房をほめるのも何ですけど、映画俳優として、僕なんかよりもはるかに上質なものを持っていましたね。僕から(女優を)やめろと言ったわけじゃないけれども、あのまま続けてたらどうなっていただろうな、と思うことはあります。
テリー どうして藤さんは、あんなステキな人と結婚できたんですか?
藤 それは僕にも説明できません。そこが男と女の不思議なところですよね‥‥かつて松田聖子さんが「ビビビッときた」なんてうまいこと言っていましたけど(笑)、まさにそういう感じでして。
テリー さぞ周りからは嫉妬されたでしょう?
藤 そりゃすごかったですよ。撮影所の中でも、誰も口きいてくれなかったからね(笑)。
テリー ハハハ、やっぱりそうだよなァ。
藤 でもそれは逆に、エネルギーになりましたよ。僕が役者としてちゃんとしないと、「ほら、藤なんていう、どこの馬の骨ともわからないヤツと一緒になるから」って女房が言われちゃいますから。