秋津壽男“どっち?”の健康学「高齢になるほど転倒が大きなリスクに。スクワットは簡単な老化防止対策だ!」 (1/2ページ)
「スポーツの秋」がやってきました。ある調査によると、日本では成人の2人に1人が「週1回以上」の運動をしているそうです。種目ではダントツのトップがウォーキングで、以下筋肉トレーニング、サイクリング、ジョギング、ゴルフ、ヨガ、体操、ジョギングマシーン、登山と続きます。
ふだんの生活でたまったストレスを解消してくれるうえ、ダイエットにもなるなど、運動にはさまざまな効果があります。
未経験ながら運動不足解消のため48歳で草野球を始めたライター氏によれば、「最初の頃はエラーと三振ばかりだったのが、練習と試合を重ねるうちにゴロをさばき、ヒットも打てるようになった」そうです。単なる運動だけでなく、達成感も味わえるのがスポーツの醍醐味ではないでしょうか。「習うより慣れろ」とはまさにこのことでしょう。
それはさておき、今週のお題にいきます。
老化防止のために運動をする人も多いでしょうが、腕立て伏せとスクワットのどちらが老化防止により適しているでしょうか?
腕立て伏せは上半身、スクワットは下半身が鍛えられます。老化とは、動作能力の低下と言いかえることもできますが、上半身の筋力が低下してもさほど老化には影響しません。
対して下半身の筋力が衰えれば、影響は甚大です。中でも老化=歩行力の低下と言っても過言ではありません。
歩けなくなると、外に出ない⇒鬱的な状態になる⇒認知症を発症する‥‥と老化は一気に加速します。
さらには、下半身の筋力が衰えると足を動かさなくなるため、血栓を起こしたり脳梗塞を招いたりします。当然ながら運動不足で肥満になるなど、悪いことだらけです。
下半身の老化には兆候があります。靴が脱げやすくなる、つまずきやすくなるといった症状には要注意です。
正解は、下半身の筋力を落とさないことが何よりの老化防止。「腕立て伏せよりもスクワット、上半身よりも下半身」です。
ただし、まだバリバリのビジネスマンは見た目を考えると、上半身も大切です。首の下から胸までの筋力が落ちると、人は一気に年寄りっぽく見えます。