森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 配偶者控除廃止の意味 (2/2ページ)
すべての女性を無理やり働かせようとする国家総動員政策だ。
アメリカやドイツやフランスは、2分の2乗課税といって、夫婦の平均所得に税率表をあてはめ、計算された税額の2倍を世帯の納税額としている。この課税方式を採ると、夫婦がどのような割合で労働を分担しても、世帯としての納税額は同じになる。これが本当の多様な働き方に中立的な税制なのだ。ところが、政府に2分の2乗課税を導入する動きはない。
さらに、配偶者控除の廃止に大きな問題があるにもかかわらず、廃止は止まりそうもない。10月3日に、経済同友会が配偶者控除廃止を盛り込んだ提言を発表するなど、経済界も廃止を支持しているし、民進党も、所得税制に関しては、「配偶者控除も含め、人的控除全体の見直しを行う」という方針だからだ。配偶者控除廃止に伴う増税規模は、約1兆円に及ぶ。財務省の高笑いが聞こえる。