小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(6)もぎ取った悲願の政権交代 (1/2ページ)

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小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(6)もぎ取った悲願の政権交代

 地元尼崎の伝統的な保守派の人たちからは、こんな声が漏れてきた。

「こんな選挙は見たことがない。選挙じゃないみたいだ」

「これは地べたを這うようなドブ板選挙じゃない。本当は、こうじゃないんだ」

 旧来の選挙手法に慣れた議員たちから出た苦言であった。

 しかし、中山恵子たちのような小池のスタッフたちにも、選挙区選挙の“スタンダード”なるものがわからない。ドブ板選挙をやれ、と言われても、やりようがない。

 また、選挙民から小池は「タレント上がり!」とも誹られた。中山の見えないところで、小池はもっとひどい罵詈雑言を浴びていたにちがいない。

 が、小池のそれまでにない戦いぶりは、浮動票の多い兵庫2区の有権者の心をつかんだ。

 7月18日、小池は衆議院議員に初当選した。獲得票数13万6000票。日本社会党の土井たか子の22万972票に次ぐ、第2位当選であった。

 小池は当選が決まるや、声をはずませた。

「組織もお金も無い。無い無い尽くしの選挙で勝てたのは、改革を求める人が起こしてくれた風のおかげ」

 日本新党は、この総選挙で一気に35議席を得た。

 小池は、衆議院議員となったものの、その余韻にひたる間もなかった。政権交代は目の前に迫っている。

 それに新人議員の集まりで、全体の状況を把握できるのは小池のほか、数名しかいなかった。

 当時、高輪に移っていた日本新党本部で、時には小池自身が鳴っている電話をとったりもする。それほど人手が足りなかった。スーツなど着ていては、何もできない。髪を振り乱し、ジーンズ姿で、日本新党本部を駆けまわっていた。

 過半数を取れなかった自民党に代わって、竹下派分裂を契機に小沢一郎、羽田孜らが自民党を飛び出し結成した新生党、武村正義が率いる新党さきがけをはじめ、野党が政権樹立に向けて相談を始めた。これからの政権がどうなるか。政権の枠組みは、まだ混沌としていた。

 そんなある日、自民党の名だたる重鎮議員3人が日本新党本部を訪れた。

 自民党としても、政権を死守するために必死だった。

「小池百合子 逆境ハネ返し「突破の女王」!!(6)もぎ取った悲願の政権交代」のページです。デイリーニュースオンラインは、週刊アサヒ芸能 2016年 11/24号大下英治小池百合子社会などの最新ニュースを毎日配信しています。
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