”あなたの感受性を育む”この時季の俳句とは?【11月27日〜12月1日】 (2/3ページ)

【凩】と夏目漱石の俳句

凩(こがらし)は、冬の訪れを告げる北風。「木枯らし」とも書くように、木々の葉を落とし、枯れ木のようにしてしまう冷たい風のことをいいます。でも凩が吹いた翌日は、晴れて穏やかな天気になることが多いそうですよ。
凩を使った、日本を代表する文豪・夏目漱石の俳句をご紹介しましょう。
「凩や海に夕日を吹き落とす」
”凩がすさまじい勢いで吹き荒れている。そのさまは、冬の夕日を海に吹き落としてしまうのでは、と思われるほどだ”という内容の句。多くのキリシタンの命が奪われた歴史を持つ、天草の海に沈む夕日を眺め詠んだといわれているそうです。
この景色を見た夏目漱石は、吹きすさぶ冷たい凩に、苦難の歴史を生きたキリシタンたちの心の叫びを聴いたのかもしれません。
凩と聞くと、私を含め、”寒い”という印象しかない方がほとんどだと思いますが、壮大でドラマティックな見方もできる夏目漱石の感受性の豊かさに感銘を受けます。このように、普段見慣れている景色を違う視点で見ることができたら、感じる思いもまた、より一層深まりますね。
【虎落笛】と上田五千石の俳句

冬の烈風が建物などに吹きつけて、笛のような音を立てることを「虎落笛(もがりぶえ)」といいます。