朴槿恵氏の次の韓国大統領は誰か!? 有力候補たちの横顔 (2/4ページ)

デイリーNKジャパン

ただ、人権弁護士出身に加え、徹底的なリアリストでもあるため、国民に対する人権侵害が強く指摘される金正恩氏にとってはやりにくい相手となりそうだ。

文在寅(ムン・ジェイン、64歳)

2012年に行われた前回の大統領選で敗れたものの、世論調査では今も一番人気を走る野党の大物だ。特に、「崔順実ゲート」後に人気が上昇している。支持率は20~22%程度。

長く人権弁護士として活動した後、2003年から弁護士時代の同僚・故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の側近として大統領府ではたらき、2007年10月に平壌で行われた南北首脳会談にも同席している。この直後にあった国連の人権決議案投票の際、事前に北朝鮮に「おうかがい」を立てていた疑惑が今年10月に提起され、ピンチに陥っていたが「崔順実ゲート」のおかげで息を吹き返した。

自身を金大中(キム・デジュン)・盧武鉉に続く正統派の革新派大統領候補を位置付けており、南北関係についても、「太陽政策(融和政策によって北朝鮮の肯定的な変化を引き出す)」を継承している。特に、大統領になって、李明博・朴槿恵という保守政権のあいだに極限まで冷え込んだ南北関係を修復させたい気持ちが強い。例えば、開城工業団地の再開などはすぐにでも手を出したいところだろう。

ただ、この気持ちが裏目に出る可能性もある。北朝鮮はもはや10発前後の核爆弾を持つ金正恩時代になっている。金正日時代のように作り笑顔で交渉できる相手ではない。このため、いざ大統領になってもできることは限られるとの指摘も多い。対決姿勢でない、という点だけ取っても金正恩氏はやりやすい相手だろう。

安哲秀(アン・チョルス、54歳)

2011年になって突如韓国政界にあらわれた政治家。以前から、韓国最大のPCセキュリティ企業の創設者として知られており、政界デビューする前は大学教授も務めていた。医師免許も持つ秀才で、クリーンなイメージが強い。2012年の前回大統領選挙では無所属で出馬し、文在寅、朴槿恵氏とともに三つ巴の争いを繰り広げた。当時、世論調査で一位にもなるなど、旧態依然の政治を嫌がる人々から高い支持を得た。

だが、投票を一か月残して「野党勝利のため」出馬を辞退し、文在寅氏への支持を宣言。

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