朴槿恵氏の次の韓国大統領は誰か!? 有力候補たちの横顔 (3/4ページ)

デイリーNKジャパン

2013年からは国会議員として、再度政治の表舞台に復帰した。新党を立ち上げ「民主党(当時は新政治民主連合)」と合併するなどしたが離脱、2016年2月に立ち上げた「国民の党」が同年4月の総選挙で躍進をとげ、再度大統領候補として注目されている。直近の世論調査では支持率10~12%程度で4位につけることが多い

政治の性向は中道であるが、北朝鮮問題では右派に近い。理系の経営者らしく実利的な面も目立つ。例えば「急激な統一は災難となる」といった視点がある。対北朝鮮政策としては「制裁と対話」を並行しなければならないとするも、韓国独自の軍事力を高める必要があるとする。つまり、これといったアイディアがある訳ではないといえる。周囲のブレーンの質も文在寅氏と比べると一段落ちるとされ、金正恩氏に振り回される可能性がじゅうぶんにある。与しやすい相手といえるだろう。

潘基文(パン・ギムン、72歳)

言わずとしれた国連事務総長で、10月末に「崔順実ゲート」がぼっ発し、野党候補に人気が集まるまでは、世論調査で不動の1位を誇っていた。一時は30%に肉迫していたことも。今年12月31日で10年間の任期を終えたあとは国内に帰国し、立候補すると言われる。

注目は所属であるが、当初は与党セヌリ党が有力だった。だが同党が一連の「崔順実ゲート」を知っていながら防げなかった「共犯」と批判をあびる上に、分党の危機も迎えていることから、別の勢力、例えば安哲秀氏が率いる「国民の党」と力を合わせるという声も出ている。この辺は、1月の「帰国」後の韓国政界ウォッチにおける一番のポイントだろう。

北朝鮮政策は、良くも悪くも優等生的な国連の枠組みを踏襲するものと思われる。当然、国連が「いの一番」で追及している人権問題を強く取り上げるものと思われる。ここに挙げた5人の中では、米国ともっとも仲が良いこともあり、金正恩氏は非常にやりにくいだろう。ただ、国連事務総長時代に残せなかった北朝鮮問題における「成果」を急ぎ、原則を捨てた行動を取るようになると、金正恩氏の思うツボだ。ドンと構える方が有利になる。

ざっくりと見てきたが、やはり金正恩氏優位との感が強い。

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