後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(1)「三田佳子・Wの悲劇」 (1/2ページ)

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後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(1)「三田佳子・Wの悲劇」

「女優、女優、女優!」と連呼する圧倒的な語り口。三田佳子(75)が「Wの悲劇」(84年、角川春樹事務所)で演じた大女優・羽鳥翔は、日本の映画界に「助演女優」の価値を高める一石となった。

──ちょうど今、オンエア中の「スニッカーズ」のCMも、大女優をみごとにパロディ化していますね。

三田 すごく評判がいいらしいの。おなかがすくと沢尻エリカさんに変わる最初のバージョン以来の反響なんですって。

──あの大女優のモチーフとなったのが、84年の配給収入第4位(15.5億円)を記録した「Wの悲劇」ですね。邦画界きってのアイドル女優だった薬師丸ひろ子が劇団の新人で、そのトップ女優という役どころ。

三田 実は最初のオファーはお断りさせていただいたんです。大女優というのなら、例えば浅丘ルリ子さんとか岩下志麻さんとか適任の方がいらっしゃるんじゃないかと。そこで監督さんに会わせてくださいとお願いしたら、現れたのが澤井ちゃんでビックリ。

──澤井信一郎監督は、東映の任侠映画で長らく助監督を務めていたから、顔なじみだったわけですね。

三田 そう、それで監督とじっくり話して、これがアイドル映画ではなく「アイドルと大女優が肉薄する映画」なら、やらせていただきましょうと。その代わり、役作りは私自身の生き様とか嫌味な部分とか、全てが見えてこないとおもしろくならない。

──原作小説を大幅にアレンジし、劇団を舞台にした「劇中劇」がメインになって、演じる俳優たちとのシンクロが効果的でした。

三田 舞台のシーンの演出に関しては、出演もしている蜷川幸雄さんが全てやってくださいました。スキャンダルを追うレポーターも、梨元勝さんや福岡翼さんなど、全て本物の方々でしたから。

──さて「Wの悲劇」は名セリフの宝庫と呼ばれています。まず、羽鳥翔の長年のパトロン(仲谷昇)が腹上死して、大きな役と引き換えに、新人の静香(薬師丸ひろ子)に身代わりを頼む場面。

「後世に伝えたい「ニッポンの大ヒット映画」女優!(1)「三田佳子・Wの悲劇」」のページです。デイリーニュースオンラインは、澤井信一郎週刊アサヒ芸能 2016年 12/15号Wの悲劇三田佳子薬師丸ひろ子エンタメなどの最新ニュースを毎日配信しています。
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