マニュアル通りでは不十分 “一流の接客”の正解がある場所とは? (2/4ページ)
そして、企業ブランドである伝統や気品、上質さ、スピード、正確性ももちろん大切なのですが、親しみやすさや適切な距離感を求められることもありました。どちらに振り過ぎても良くないですし、そのバランスはお客さまと接する中で感じ取っていくものだと思います。
――七條さんは教官として客室業務員の訓練生の教育にもあたっていたそうですが、どのような教官だったと思いますか?七條:私は鬼教官だったかもしれません(笑)。もともと体育系ということもあって、鬼になるときは鬼になっていました。
この本を読んでもらえると分かると思うのですが、接客の正解というのはお客様が持っています。もし、お客様が不愉快だとお感じになったならば、それは、いたらない接客だったということです。(訓練生たちが)がんばっていることも理解していましたし、努力は認めるけれど、頑張っているからいいというわけではないんです。
お客様の前に出たときに誤解を与えることなくどう振る舞うことが望ましいのか。そこは嫌われても教えないといけないと思っていました。訓練生たちの花が開く助けになれば、と。
――訓練生たちのどういうところをチェックするのですか?七條:まずは外見力です。人間は中身が大事といいますけど、CAの場合、最初の印象がとても大きいんです。「あの子、つまらそうに仕事しているな」「声が暗いな」とか、第一印象を損ねてしまうと、挽回が難しい。
これは、美人じゃないとダメとか、イケメンでなければならないとかそういうことではありません。清潔感であったり、一つ一つの仕草であったりという部分が大事で、いくらでも磨くことができます。
――挽回が難しいのは何故でしょうか。七條:特に国内線ですが、お客様と接する時間が短いんです。そのような状況で最初にマイナスの印象を与えてしまうと、その後、挽回するタイミングがこないままフライトが終わってしまうことが多いのです。
ほとんどの方は清潔感のあるさわやかな人に好印象を持ちますし、第一印象だけでお客さまへの感謝や仕事に対する真摯な取り組み方、そのようなことを感じていただくことが大切なのです。