移りゆくカラオケ業界で舵を切った 大量閉店「シダックス」の反転攻勢 (2/2ページ)
「『シダックス』のカラオケは、和食レストランが不振だったことから取り入れたことが始まりです。もともと企業や病院の食堂運営、給食事業など食部門に実績を持つ企業。その食を取り入れた、大きくて綺麗で、美味しい食事が一体となった“レストランカラオケ”が受けて、飛躍的に伸びてきました。忘年会や新年会などで、宴の最初からシダックスで貸し切ってやるのが大流行し、さらに事業を伸ばしてきたのです」
このように“飲食依存度”が高いことから、『シダックス』は出店に際しても、ロードサイド店舗の場合は700坪以上、都市型店舗の場合にも最低300坪以上の大型物件を狙わざるを得なかった。これは飲食込みで一店舗当たりの売上高を大きくしたいため。しかし、出店費用も、維持費用もかさむことになったのだ。
一方の他のチェーン店は、一定規模のルームを確保できさえすれば積極的に出店を行い、格安カラオケ競争に拍車をかけた。カラオケで歌を歌いたい人たちは室料ゼロ、飲食持ち込みOKで、安いカラオケボックスへと流れる。そこへ“一人カラオケ”などの流行りなど、歌に特化する傾向がさらに強まった。
「つまり、“食べる、飲む”分野がかなり減っていき、同時に大きな箱で多くの人がパーティーをする形式の『シダックス』は、徐々に時代と齟齬が生まれ始めたのです」(同)
『シダックス』の不採算店は、持分法適用会社化で別子会社に移すなどして、後処理は円滑に進んでいる。そのため本体への店舗閉鎖の影響は限定的だという。また、ケースによってはカラオケ店舗の空いたスペースを、カルチャースクールやフィットネス、エステ施設に改装する予定もある。
「他の業態を模索しながら、“そこにカラオケもある”という複合業態を目指す方針だという。さらに今後の業務の柱は、給食事業に加え、自治体の車の運転代行や放課後の児童支援施設などでの人材派遣で膨らませる方向だといいます」(経営アナリスト)
ただし、バラエティー番組を見れば“カラオケバトル”といった内容の視聴率も比較的好調で、アベノミクスも浸透しない中、安近短レジャーのカラオケは再びジワジワと人気を上げつつあるのが現状だ。
ワンカラ(一人カラオケ)にも力を入れるコシダカHDでは、ボックスを勉強室にしたり他の楽器演奏、さらには英会話も学べる空間にするなどの多様化を進める。そんな中、カラオケの草分け的存在、『シダックス』は、どう変わっていくのか。今後の攻勢に注目だ。